12月5日 続き
由布院から別府駅前までは「ゆふりん」バスで1時間10分。
出発した時はほぼ満席だったお客さん、ほとんどは鉄輪温泉で降りてしまって終点まで乗っていたのは3人だけ。
まずは大きな荷物を預けようとするもコインロッカーがいっぱいなので こちらの観光案内所で預かってもらい、ついでに地図なども入手。
駅前には変な恰好をした「ピカピカのおじさん」の像があるが、 これが別府を観光地にした油屋熊八さん。
由布院で泊まった亀の井別荘も元はこのおじさんの別荘。
アイデアマンで女性バスガイドを乗せた別府地獄めぐりの観光バスを始めたのもこのおじさんだそうだが 現在の地獄めぐりバスには角が付いている。
駅前からまっすぐ海の方に歩いて行くとレトロ感満載の別府タワーが見えるが、目指すのはその手前にある「韓国苑」という焼肉屋さん。
2階にあるお店に入ると客席はすべて仕切られていて、もう2時過ぎだけれど家族連れなどで大盛況。
さて、この店に来たのは別府冷麺なるご当地グルメがあると発見したから。 オリジナルは麺が小麦の極太麺でうどんみたい。キムチが入っているのでスープが赤いが辛さはほとんどなく、牛だしだろうか、さっぱりとしておいしい。
が、それ以上においしかったのが友人の頼んだかぼす冷麺。こちらは細い緑色の麺、カボスのたっぷり入ったスープが甘酸っぱくてうまーい!これ、東京でも食べられるなら絶対に通ってしまう。ちなみに白く浮いているものは氷だった。
食後はちょっと腹ごなしに海辺へ。
ビルが立ち並ぶ先が岸壁の遊歩道になっていてヨットハーバーもあるが
昭和初期にはここで砂湯に入れたらしい。
ここから駅への道を戻ると素敵すぎる外観の「駅前高等温泉」があるのでこれは入らねば。
入ると番台の左右がぬる湯とあつ湯に分かれ、さらに男女に分かれているのでわずか200円の入湯料を払ってぬる湯へ。
入るとすごく狭い脱衣場から階段を下へ下りて行く造り。
上からも見える浴槽のお湯はちょっと茶色がかっているが香りなどの癖はなく、41℃。ここに入ると脱衣場の下が洞窟のようになってそこにもう一つ浴槽があるのが見え こちらは名前の通り37℃のぬる湯。
二つの浴槽を行ったり来たりしてまったり。
出がけに番台のおじさんと少し話をするとあつ湯の方は45℃以上あるとのこと。
「でも慣れると気持ちいいんだよ」だそうで この素敵な建物の2階では宿泊もできるとのこと。
ここに泊まるのもいいかも。
別府駅に戻ったら線路下を少し歩いて べっぷ駅市場へ。
八百屋さんや魚屋さん、総菜屋さんなどが並ぶこの市場、夕方だったせいか人の姿もまばらだったが、大きなカボスが8個で200円とか、みかんが一袋150円とか、安すぎる。大分、住みやすそうでいいなあ。
ここの買い物袋をぶら下げて観光案内所で荷物を引き取り、タクシーで今夜の宿へ向かった。 ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
12月5日
また宿のボンに送ってもらって、今度は豊後森駅へ。
10分で着いてしまったが、由布院へ戻るバスは1時間後。
豊後森の駅舎はきれいで、待合室にはピアノまで置いてあるが
なぜか鳥居のあるホームに出ても寒いばかりですることがない。 駅前でお茶を飲むところでもないかと歩いてみたが喫茶店の一軒もなく
ただあちらこちらに鉄道関係の古い写真が飾られている。
それというのも歩いているうちに着いてしまった古い扇形機関庫があるから。
この機関庫は1934年に作られ、1971年まで使われていたそうだが
車庫の前には転車台もあり、その前には蒸気機関車もきれいな状態で保存されている。
この大正8年製造の機関車は長崎の原爆投下直後にも被災者を乗せて働いていたのだそうだ。
機関車の横にはミニトレインの線路があるが、こちらは3月から11月の土日のみ運行。
この線路を辿って行くと作業員詰め所があって これが今は豊後森機関庫ミュージアム になっている。
することもないので100円なりの入場料を払って中に入ってみると
機関庫の復元模型や鉄道関係のちょっとした小物
列車の模型なども飾られていてかわいらしい。
奥の部屋にはちょうどツアー客が来ていて、ガイドさんがビデオを見せながら解説中。
ここには写真集などもあるのだが、壁に飾られているのはJR九州の列車デザインで有名な水戸岡鋭治さんのイラストポスター。 ゆふいんの森の四季が素敵!
このミュージアムの設計も水戸岡さんだそうで、と言うのも彼の設計した「ななつ星」がこの駅に停車してここを見学するから。
その他にはあまり見学者のないこちらのミュージアム、「でも久大線がこの先不通になって見学者が増えたんです」とはいろいろ親切に教えてくれたきれいなお姉さん。
久大線は今年の春には復旧予定だそうだ。
思いがけず楽しく時間をつぶして、また代行バスに乗るべく駅に戻る。
最初に博多から来た時と全く同じ時間のバスなのでゆふいんの森がやってきたが、さすがに土曜日なのでこの日はお客さんがいっぱい。バス2台でも乗り切れないほどで、JRのためにちょっと安心。 由布院のバスのりばでは隣のお土産屋さんで30分ほど時間をつぶして
次は亀の井バスの「ゆふりん」で別府を目指す。
バスは由布院の町を見下ろしながら山を登って行き
きれいな草原に囲まれた由布岳をぐるっと回って別府湾に向かって下りて行った。 ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
12月4日 続き
由布院駅で切符を買い、バスターミナルからまたJR豊後森駅行きの代行バスに乗る。 ただし今度は森駅直行の急行ではなく各駅停車なので高速には乗らず、くねくねとした一般道を行く。
50分かかってやって来たのは激渋で無人の引治(ひきじ)駅。
まわりには田んぼ以外に何もなく 広ーい駅前には民家があってご近所さんがおしゃべりしているが店の一軒もない。
こんな所に何で降りたんだ、と不思議そうな顔で見られつつ旅館からの迎えを探すが来ていない。
またか、とすぐに電話をすると案の定忘れられていたらしい。立山に続いて今年2度目(笑)。
10分ほどで旅館のボンらしい若い男の子が車でやってきて無言で宿へ。
駐車場から急坂を下りて行くと 川沿いに建物が見える。
「壁湯温泉 福元屋」さんはおなじみ日本秘湯を守る会の宿。
玄関を入ると正面に藁で作った龍がお出迎え、「どうぞ」と上がって廊下に入ってすぐのふすまを開けるのでロビーかと思ったら
布団が敷かれた、これが今夜のお部屋。二間をつなげたらしい横長の部屋は15畳以上あって広く、窓の外を川が流れている。 2時過ぎとまだ早いのだけれどチェックインをさせていただき、柚子の砂糖漬けをつまみながらお風呂の準備ができるのを待つ。
やがて仲居さんが知らせに来てくれて、部屋のすぐ隣にある貸切の内湯へ。 石造りで3,4人でいっぱいになりそうな小さなお風呂だが、薄暗い小屋の中が「隠り国の湯」という名前にぴったり。
無色透明の単純泉は湯口で44℃、浴槽内は38℃ほどのぬる湯、ゆったりと寝てしまいそうだ。
しかしここで体を温めたらこちらの自慢、洞窟温泉に行かねば。
浴衣を羽織って玄関を出ようとすると宿の御主人が「地元のじいさんが一人入ってるけど気にしないでゆっくり入ってね」と声をかけてくる。
このご主人、我々が到着した時にはスマホのチェックに没頭していて顔も上げず、しかしこの後は食事の時などもとても愛想がいい。営業時間になるとスイッチが入るのだろうか。
さて、問題の洞窟風呂は川べりにあるのだが、鉄道線路も流した7月の豪雨で岸壁が流されてしまったとのこと。
そこでこんな足場が組まれてワイルドなアプローチになっている。 途中に見える、これは女性専用洞窟風呂だが、こちらは階段が崩れてしまって入れない。
その先にあるのが混浴の洞窟風呂。
正面にこれまたワイルドな脱衣場があるが、仲居さんの助言により浴衣の下にムームースタイルの宿の湯あみ着を着てきたので問題なし。
先客のご老人に挨拶をしてお湯に入らせていただくと
お湯は青く透き通って底の凸凹した岩床が良く見える。
ここの源泉温度は36.6℃、よく見ると岩床から泡が上がって温泉が自噴しているのがわかり、特に壁際の穴のようなところに入り込むとお湯の鮮度の良さが感じられてなんとも気持ちがいい。
しかしさすがに冬場はぬるいということでこの冬は近所の宝泉寺温泉からパイプで熱いお湯を引いてみているとのこと。先客のおじいちゃんが気を使って「こっちが暖かいよ」と教えてくださる、そこでやっと37℃ぐらい。
オーバーハングした頭上の岩には小さなお地蔵さまと南無阿弥陀仏の文字。
脇を流れる川も青く澄んで、やっぱりここまで来て良かった!
温泉の後は部屋でダラダラして、夕食は6時から食堂で。 我々の他にご夫婦が二組、一人旅の男性が3人もいらっしゃる。
食事は馬刺しがとてもおいしくて、他にこんにゃくや豊後牛。
白和えや野菜の煮物などが家庭的でほっとする味。
この他にヤマメの塩焼きや天ぷらがアツアツで来て、数えると11品も。
お腹はいっぱいだけれどこれも宿自慢の自家製香り米が名前の通りいい香りで、デザートのヨーグルトまでいただいたらもう動けない。
すぐ隣の部屋に戻って布団に転がったが、広い部屋はエアコン2台をフル稼働しても寒くてたまらない。
そこで体を温めるべく、またお風呂へ。 洞窟風呂にも明かりが煌々と灯って入れるけれど、こちらはぬるいし、男性陣が楽しんでいらっしゃったので
帳場で鍵をもらって別棟の「切り出しの湯」へ。こちらも3,4人は入れる大きさで貸し切り、内湯同様加温されているのでやっと温まった。
そのおかげだろうか、この夜はいつにないほど深く眠れた。 翌朝は朝ぶろの後にまた品数豊富なおいしい朝ごはんをいただき
入り口脇の囲炉裏端でコーヒーをいただきながら置かれたアルバムを見ると、この宿はごく普通の古い宿だったのをご主人たちがほぼ自力で民芸調に作り替えたらしい。
川べりのお風呂も早く修復したいのだが、岸壁は国の管轄なので勝手に手が出せない、と女将さんは悔しそう。
家庭的で「亀の井別荘」とは全く方向性の違う宿。
これもまたいい。
ゆっくり10時にチェックアウトさせていただいた。 ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
あけましておめでとうございます。
年末年始は実家で家族と過ごすようになって何年経ったか。 今年もお取り寄せお節でまったり。
普段は高齢者住宅で一人暮らしの父も一緒。
今年で91歳になるが、コロナを警戒して会わないよりも少しでも一緒にいることを選んだ。
なにせこの年ともなるとコロナでなくてもいつ何があるかわからない。
こちらだっていつ何があるかわからないのだ、と今回のパンデミックは警報を発しているように思う。
1年前の正月には今のような状態になるとは微塵も思わなかった。
春ごろに出歩けなくなった時にも秋にはまた外に出られるかもしれない、と楽観的に考えていた。
しかし今現在の状況を考えると今年いっぱいも海外旅行には出られないと考えるのが現実的かも。
その代わり国内の人気観光地は人が減って快適に旅行できるようになったし、いろいろな意味で足元を見直すいい機会であるようにも思う。
今年も多分温泉三昧。
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