Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

NZと亜南極 21 下船してクライストチャーチへ

2024-02-12 17:07:04 | オセアニア

12月5日

航海の実質最終日は一日海の上。
早朝、最後の鳥撮影をしようと甲板に出ると、気温が明らかに上がっているのがわかる。

  
 
今回のクルーズではアホウドリをたくさん見たけれど

顔の白いの黒いの、眉毛があるかないかぐらいしか素人には見分けがつかない。

日中はプレゼンテーションがいくつかあり、スタッフへのチップの清算などしたら夕方にはキャプテンの挨拶があって、最後はフェアウェル・ディナー。
 
大きなエビやロブスターをいただいて、この船の食事は本当に良かった。

12月6日

船は午前3時半にブラフに入港したので
 
目覚めると既に港に停泊していた。

最後の朝食をいただいたら7時に大きな荷物を出し、7時半からはニュージーランドへの入国手続きをして、8時半に下船。

行先別の大型バスが待っていて
  
 お世話になったスタッフとお別れ。
船は今夜には次のお客さんたちを乗せてまた出航するのだとか。

 小さなブラフの町を出て
 
また羊だらけの風景の中、来た道を戻る。

途中、Lumsdenという、これも昔は鉄道が通っていた町でトイレ休憩。
 
ニュージーランドの公衆トイレはどこもきれいだけれど、男女が分かれていないのが日本とは違う。性別があやふやになりつつある昨今、これからはこれがスタンダードになるんじゃないだろうか。

3時間半でクイーンズタウン空港に到着。
すぐにチェックインしたけれど、自分の乗るフライトまでは4時間以上もある。

 空港内にはお寿司屋さんもあるけれど
 
またパタゴニア・チョコレートのアイスクリームなどいただいて
 
建物の外に出てみると台湾人らしき団体が体操をしていた。この人たち、自由だわ。

オーストラリアへ帰るクルーズ仲間とおしゃべりしているうちに時間になって、やっとクライストチャーチ行きのニュージーランド航空に搭乗。
 小さなATR72は満席。

 
空港を飛び立つと大きなワカティプ湖が見えて
 雪山が消え、平らな緑の景色になったら
 プロペラ機とはいえ1時間でクライストチャーチに着いてしまった。


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NZと亜南極 20 キャンベル島後編

2024-02-10 16:24:24 | オセアニア

12月4日 続き

船で昼食の後、14時からまたボートを下ろして今度は島へ上陸。

 
研究者施設の桟橋があるので足を濡らさずに上陸できる。

桟橋の近くにはまた飛べないカモがいた。
 
この小さいカモは一度この島で絶滅したものを、ネズミの完全駆除の後に他の島から再移植したのだそうだ。

午前中は雪が舞っていたが、午後は日も差して暖かくなった。
 
桟橋から少し草地を上がって行くと
 
宿泊棟には「Beeman Cove Hostel」なんて表札がかかり、洗濯物も見えて研究者が駐在しているらしい。

この脇を歩いて行くとやがて木道が現れて
 
目の前の岩山を見ながらしばらく灌木の中を行くと次第に視界がひらけて
 
 

広々となんとも気持ちのいい景色。

 
枯草色に見える周りの草地の中にもよく見るといろいろな花が咲いていて
  
 
他の島でも見かけたなじみの花から
  
 
この島固有の花まで。

コケや地衣類だろうか、地面にへばりついた植物も面白い。

 
長く続く木道を上がって行くとやがて頭上を飛ぶアホウドリが見えてきて
 
向かいの山腹に白い頭が見えるのはサザンロイヤルアルバトロスの巣。
 
仲良さげなご夫婦の姿も見える。

  
 
風に乗って飛ぶアホウドリの姿はかっこいい。

来た道を折り返して戻ると船に日があたっている。
 この島では年間の89%は雨が降るそうなので、今日の午後はかなり天気に恵まれたようだ。

3時間半の上陸を終たら、これで今回のクルーズの船外活動は終了。
 お世話になった長靴ともこれでお別れ。

出航した船窓から外を飛び回るマダラフルカモメの写真など撮っているうちに
  
 船は湾を出て島の北へ向かった。

すると外を見ろとの船内放送が入って甲板に出るが、はじめは何を見るのかわからなかった。
近くにいる人の双眼鏡を借りてようやく納得。
 
崖にびっしり見える白い点々はこの島にしかいないというキャンベル・アルバトロスの大営巣地。
この島にはアホウドリが6種類も生息しているのだとか。

 
たくさんの鳥たちに見送られて
 キャンベル島を離れた。


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NZと亜南極 19 キャンベル島前編

2024-02-06 16:09:18 | オセアニア

12月4日

朝早く、船はニュージーランド領最南端、南緯52度のキャンベル島に到着した。
 
火山活動によってできたという島。
 
島の中央に深く入り組んだ湾内に入ると、環境保護のための研究施設が見えた。

朝食後、10時からゴムボートによるクルーズを開始。
 早朝は晴れていたのに、出発する頃には雨と粉雪も舞い始め、気温は3℃で今までで一番寒い。
 
背の高い草に覆われた所が多いが、なにやら大きなピンクの花も見える。
 平らな所では19世紀末から1934年まで、植民者が牛や羊を飼おうとしていたのだとか。結局寒すぎて羊は育たず、1970年からは自然保護区として外来生物の駆除に乗り出し、1990年に完全駆除宣言が出たそう。

  
 ボートのすぐ近くにはニュージーランド・アシカ。

  
 
岸辺にはカモメの巣やウミウがいっぱい。
 草の上に座っていたモフモフは管鼻が見えるからオオフルマカモメのヒナだろう。

 
長い草の間に目を凝らすと白っぽいアシカが固まっている。
 
白っぽいのはメス、黒くて大きいのがオスなのでそろそろハーレムを作り出している様子。
 縄張り争いもしているのだろう。
 「なんじゃ」とにらまれたのでもう船に帰ろう。


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NZと亜南極 18 船内で風邪をひく

2024-02-04 13:20:40 | オセアニア

12月2日

前日はマッコーリー島のペンギンを満喫したが、夜になってからどうも悪寒がする。
2,3日前にラウンジに集まった時、すぐ近くのおばさんがいやな咳をしていて、うつされそうな予感があったのだ。

朝になると咳が出始めたので一番下のデッキにある船医の所に行ってみた。
船医は南アフリカから来ている若い女医さん。
体温を測ると37.5℃あって自分としては発熱しているのだが、「平熱ね」と言われてしまったのは白人はアジア人より平均体温が高いためらしい。
それでも簡単に診察をして、2日分の風邪薬と咳止めシロップをくれた。
 後で請求書を見るとこれで一万円。
お高いクルーズ保険に入っていたのでなかなか治まらなかった咳のために日本で受診した分も含めて請求したが、診察料高~い。

この日の午前中も前日と同じSandy Bayへの上陸があったが、冷たい雨が降っているし、まったく同じところだというので今回はパス。
昼食も摂らずに部屋でうだうだしているうちに船は島の東岸沿いに南下して
  
 
部屋の窓から外を眺めていると大きなペンギン・コロニーがいくつも見える。
 キノコか宇宙船のような施設は観測ステーションだろう。
今回は広い個室で良かった。

 
午後には島の南端に至り、その後は進路を東に向けてオーストラリアの領海を離れた。

12月3日

この日は一日航海日。
まだ少し熱っぽいので、必要なBiosecurity Check以外はプレゼンテーションにもあまり参加せずに部屋でゴロゴロしていた。

食事もあまり摂っていなかったが、夕食はさすがにちょっとお腹が空いてきたので食堂へ。
メニューに「焼うどん」とあるので、これはちょうどいいと頼んでみると
 うどんならぬ黒いおそばに野菜炒め。
惜しい、おいしくなかった。


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「本阿弥光悦の大宇宙」@東京国立博物館

2024-02-03 18:02:39 | 機内食・映画・美術展

所用ででかけたついでに上野まで。
例によって東京国立博物館の特別展へ。

 「本阿弥光悦の大宇宙」

地味な内容のためか平日の午前はかなり空いていて、ゆっくり静かに見られたのは良かった。

しかし展示を見始めて自分の勘違いに気づいて愕然。
ポスターにも大きく取り上げられている通り、光悦と言えば国宝にもなっている大きく膨らんだ硯箱が有名なのでてっきり工芸の人だと思い込んでいたが、実は書の方が有名な人。
どうやら尾形光琳などとごっちゃになっていたようで、自分の不勉強に恥じ入るばかり。

本阿弥家は刀剣の鑑定では名家とのことで展示の初めは国宝の刀がずらり。
しかし刀にも書にもまるで興味も知識もないので、この辺りは猫に小判、豚に真珠。
が見ているうちに光悦という人はその出自から有力なスポンサーや職人に強力なコネがあり、自身の審美眼もあって優れたプロデューサー、コーディネーターだったのだと理解できた。

今回の展示で一番感動したのは俵屋宗達とのコラボの「鶴下絵三十六歌仙和歌巻」。
 
13mもの巻物の上で鶴たちがたたずんだり、羽を広げて飛び立ったり、なんて自由で洗練されているのだろうとうっとり。

これより早い時期にコラボしたらしい桜の屏風も
 絵を宗達が描き、その上に光悦の書が短冊の形で散りばめられているのだが、木の表現など現代の物のようにモダンに見える。

町絵師だった宗達を見出して有名にしたのが光悦だそうで、それ以外にも謡本の贅沢な紙までその職人の名前がちゃんと残っている。
芸術ならぬ工芸にまで名前が残っている国って他にあるのだろうか。

最後は陶芸で、これなど茶の湯をたしなんだ光悦の個人的な趣味だったんじゃないかと思うが、それが国宝になってしまうすごさ。
しかし実は光悦の国宝より、陶芸の師匠だったであろう楽焼のプロ、長次郎の茶わんがいいなあ、なんて思ってしまった。

 外に出ると一本だけ、紅梅がもう花を開いていた。


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NZと亜南極 17 マッコーリー島後編

2024-02-02 16:00:29 | オセアニア

12月1日 続き

昼食後、船は少し南へ移動してSandy Bayの沖へ停泊し、15時からボートを下ろして島への上陸を開始した。

 島に近づくと浜にゴマ粒のようなペンギンたちの姿が見える。

 
石ころと岩だらけの浜に上がってまずは右手に歩いてみると
 
背の高いキングペンギンがどんどん増えて
 
大きなコロニーが見えてきた。

 中に丸っこくて茶色い毛皮が見えるのはヒナ。
  
キングペンギンは南極大陸にいる皇帝ペンギンにそっくりだけれど、ヒナは全く違う姿なのが面白い。フワフワと丸っこいヒナから大人になりかけの情けない姿の子供も見える。

 
キングペンギンは横になっていると鳥らしいが直立するとやけに人間っぽく見えるのが面白くて
   
やけに哲学的な顔をしているように見える。

 
この浜にもミナミゾウアザラシの子供たちがゴロゴロしていて
 コロニーの真ん中で大口開けてもペンギンたちはへっちゃら。
 
体を寄せ合って眠る子供たちはかわいい。

上陸場所から今度は左手に向かうとそちらにもたくさんのペンギンが見えて
 
手前にいるのはキングペンギンだが、その向こうで群れているのはロイヤルペンギン。
  
キングペンギンより小柄なロイヤルペンギンはオーストラリアのこの島辺りにしかいない貴重種。
 
イワトビペンギンのように頭に黄色い羽があるが、顔が白いのが特徴。
 
人間を恐れることもないが、けんかしちゃだめだよ。

この浜の群れの後ろには階段が作られていて、少し上がった草原の木道に通じている。
  
 
草原にいっぱい見えるのはメガハーブの一種。 
 ここでは花穂が長く伸びてきている。

 木道の先には展望台が作られていて、ここに上がると

ロイヤルペンギンの一大コロニー。
周り中ペンギンたちのギャーギャーいう鳴き声でまことににぎやか。
 
ロイヤルさんたちの頭の金髪は良く目立つ。

 
コロニーの中では座り込んでいるものもたくさんいて
 
よく見ると体の下に黒いヒナがいるのが見える。親鳥は餌を獲るのに島から何百キロも離れたところまで遠征するのだそうだ。

いつまでもここでペンギンたちを見ていたいが、展望台は小さいので10分ほどで次の人たちと交替しなければならない。
 
浜に降りたら足元に一羽、海から上がって来てお互いにびっくり。

さすが、ここは圧巻だった。
 2時間半ほどの滞在で名残惜しく島を離れた。


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