文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

手品先輩(2)

2020-11-18 09:45:09 | 書評:その他

 

 種無高校を舞台に、アホだけどかわいい奇術部部長の先輩(3年)女子と、1年生男子の助手君の部活風景を描いた手品先輩の2巻目。なにしろこの奇術部、正式な部ではない。先輩と助手君の二人では部活の要件を満たさないのだ。だから助手君の入部届も却下された。でも助手君、隣の化学部に籍だけおいて、実質は奇術部員のまま。助手君、どうも先輩を一人にしておけないようだ。

 ところで、この先輩、人前で手品をしようとすると、極度のあがり症がでて吐いてしまう。(それでなんで手品をしようと思ったのかは謎だ。)

 先輩、助手君に「今日は何の日か分かる?」と聞いていた。その答えは、「助手が入部してからちょうど1ヵ月記念日」だそうだ。助手からは、「面倒な彼女か!!」と突っ込まれていたが、どれだけ助手が来て嬉しかったんや?

 先輩が和妻(日本版の手品)をしたときのこと。紙うどんの芸をしようとして、火をつけたところ、その前に見せた「胡蝶の舞」の紙でできた蝶に燃え移ってしまい、スプリンクラーが稼働した。先輩はこの時は「水芸です」と言っていたが、助手君が「んなわけあるか」と突っ込んだのは当然。

 やっていることは結構アホなことばかりだけど、かなり可愛い先輩。こんな先輩がいれば高校ライフも楽しいかもしれない。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

 

 

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放送大学通信指導「データベース(’17)」を提出

2020-11-18 09:11:13 | 放送大学関係

 放送大学のシステムWAKABAから「データベース(’17)」の通信指導を提出した。問題自体は既に説いていたので、結果を入力するだけの作業だけだったのだが。17日から受け付けだと思っていたが、WEBでの提出は10日から可能だったようだ。どちらにしてもすっかり忘れており、昨日の夜思い出したのだが。この科目の単位が取れれば、目出度く6回目の卒業になる。これで試験を受けるための条件が整ったので一安心である。

 

 

 
 
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ビブリア古書堂の事件手帖 ~扉子と不思議な客人たち~

2020-11-17 08:05:15 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)

 

 栞子と大輔が結婚7年目。二人の間に扉子が生まれもう6歳になっているが、まだ新シリーズには入っていないようで、Ⅱの文字はタイトルには入っていない。要するにこの本が第一部の最後に当たるのだろう。

 収録されているのは4つの短編。いずれも、これまで出てきた人物に関する話を栞子が扉子に語るという体裁になっている。また、一部の締めくくりらしく、各話がこのシリーズにこれまで出てきた人に関するものだ。

〇第一話 北原白秋 与田準一編『からたちの花 北原白秋童話集』(新潮文庫)
 坂口昌志は、刑務所を出た後、歳の離れた兄一家と絶縁していた。その昌志に子供が生まれたことから、出産祝いを娘の平尾由紀子に届けさせたが、その中に「からたちの花」があった。ところが、その歌詞が、昌志の妻のしのぶや由紀子の覚えている歌詞とは違っていた。

〇第二話 「俺と母さんの思い出の本」
 急死した世界的なイラストレーター。彼は小さいころ母親に色々な習い事をさせられており、母親は彼の仕事に理解がなかった。彼が急死する前、家にある彼の持ち物を送ったところ、彼は「俺と母さんの思い出の本」と言ったという。しかし、母親には見当がつかない。果たして思い出の本とは?

〇第三話 佐々木丸美 『雪の断章』(講談社)
 小菅奈緒は、彼女が志田先生と呼ぶホームレスから「雪の断章」をプレゼントされていた。志田は「雪の断章」を色々な人にプレゼントしていたが、誰も一冊。しかし奈緒には二冊なのだ。いったいなぜ。

〇第四話 内田百閒 『王様の背中』(樂波書院)
 舞砂道具店の吉原孝二は、因縁のあるビブリア古書堂から「王様の背中」を売り主に成りすまして盗む。実は「王様の背中」は版画が全部揃っていると高値がつくのだ。

 しかし、このシリーズを読むたびに思うのだが、良くこれだけ広範囲な本に関するネタを集めてくるものだと感心する。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

 

 

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今まで一度も女扱いされたことがない女騎士を女扱いする漫画 6

2020-11-16 08:54:31 | 書評:その他

 

 

 この表紙イラストを見てまず思ったのは、「アンタ誰だよ?」ということ。何しろ凛々しい無敵の聖剣様・レオ・コルネリアが、恋する乙女の顔をしているんだから。

 この作品は、最強の騎士聖剣様と、腹筋萌えの魔法使いフーリー・デントを描いたラブコメである。

 第6巻ではフーリーの魔法のお師匠様が出てくる。美女だが、どうもショタコンのようだ。彼女が言っていたのは、フーリーが回復魔法を使い続けるとまずいということ。お師匠様は、フーリーがこれ以上回復魔法を使わないように、フーリーの思い人を亡き者にしようとやってきたのだ。

 もう一つ収められているのは、隣国の女騎士たちと王の前で親善試合をすることになる。三対三の試合だが、こちらは聖剣様とフーリーともう一人あの人だ。誰かは実際に読んで確かめて欲しい。フーリーは意外に女たらしのようで、登場した時は敵だったあの人も、今はフーリーにきゅんきゅん。でも恋する乙女になった聖剣さまはポンコツ丸出し。

 事態を打破するのは、やはり腹筋。100点なら言うことはないのだが、85点の腹筋でもフーリーは結構な力を発揮する。このフーリーの腹筋萌えには笑える笑える。それともう一つ、フーリーはお師匠様の魔法で、小さな子供になってしまう。ショタ好きの人にはいいかもしれない。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

 

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ラーメン大好き小泉さん 2

2020-11-15 08:17:21 | 書評:その他

 

 煮干しの香りにする美少女転校生、ラーメンが大好きな小泉さんを描いた作品の第二巻。小泉さんは、見た感じがミステリアスな美少女なのだが、ラーメンが大好きで、ラーメンのことになるとその行動力が半端じゃない。

 大澤悠は、そんな小泉さんが大好きで、なんとか仲良くなりたいと小泉さんに付きまとうのだが、いつも塩対応。でもそんなことで挫ける悠ちゃんではない。事あるごとに小泉さんにアタック。この悠ちゃんの小泉さんラブぶりと、小泉さんの塩対応ぶりがなんとも笑えるのだ。

 この第二巻では、ドイツ人の迷子の母親を探すのに、ドイツ語をしゃべっていた。いったい小泉さんって何者?

 この作品は、悠ちゃんと小泉さんの繰り広げるコメディを楽しめるだけでなく、ラーメンに関するマメ知識が身につく。例えば、冷やしラーメンは山形発祥で、冷やし中華とは別物。ドイツでもラーメンは人気。家系ラーメンの「家系」の意味とは。まあ、この豆知識が役に立つかどうかは分からないが、ラーメン好きな人には楽しめる作品かな。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

 

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紙屋ふじさき記念館 物語ペーパー

2020-11-14 09:01:23 | 書評:小説(その他)

 

 10年以上前に亡くなった小説家を父に持つ吉野百花と紙会社藤咲産業の記念館館長藤崎一成の繰り広げる、紙をめぐる以下の3つの物語。なおここで言う紙とは和紙のことである。

〇第一話 本美濃紙
 百花は友人の荒船莉子と一緒に美濃紙の一日紙漉き体験に参加する。

〇第二話 garden diary
 百花は、shizukuというアクセサリーブランドを展開している渕山雫の新シリーズgarden diaryのパッケージを考えることになった。この話では、面倒臭いキャラが登場する。一成の従兄で社長の息子。本社営業課長の浩介だ。彼は一成とソリが合わず、記念館不要論を唱えていた。

〇第三話 物語ペーパー
 日本橋で「文字箱」という本の店をやるという一成の先輩・綿貫のために、百花は和紙を使った新しい商品を考える。

 特に大きな事件が起きる訳ではないが、和紙の可能性を切り開く百花を応援したくなってくる。また、和紙に関する様々な知識も得ることができ、この方面に興味がある人にはおススメ。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

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ウンコはどこから来て、どこへ行くのか ――人糞地理学ことはじめ

2020-11-13 09:18:08 | 書評:学術・教養(人文・社会他)

 

 そのなんとも香ばしいタイトルに思わず買ってしまった本書。副題にあるように、人文地理学ならぬ人糞地理学の本である。

 このタイトルだが、ゴーギャンの代表作に「我々はどこから来たののか 我々は何者か 我々はどこへいくのか」というものがある。(p208) 明記はされていないが、この本のタイトルはここからついたのは明らかだろう。タヒチでは、新しい王が決まるとウンコまみれにされるらしい(p206)。ゴーギャンはこの様子を文章に残しているが、その様子によほど感銘を受けたのだろう。

 ウンコがどこから来るのかは明らかだが、どこへ行くかは国や時代によって違う。例えば、江戸時代の日本では、人糞は肥料としていた。つまり資源だったのだ。私が子供の頃まで人糞を肥料として使う人がいたのをうっすら記憶している。昔の沖縄にはフール(豚便所)というものがあった。中国から来たもののようだが、人間のウンコを豚が喰い、豚のウンコは肥料にしたのである。しかし今では完全な汚物扱いである。

 ところで、後始末の方だが、これも色々ある。今のようにトイレットペーパーが一般的になる前は、チリ紙が使われていた。(田舎ではチリ紙は結構使われていた。今ではチリ紙という言葉も死語になってしまった観があるが。)下水の整備により、バキュームカーを見たことがない子は結構いるのではと思う。私の田舎には下水がないので、現役なのだが。

 国によっては、砂漠の砂を使ったり、トウモロコシの髭を使ったり。我が国での主流は葉っぱを使うという方法だ。蕗やクズの葉がよく使われていたようだ。本書によれば、蕗の語源は「拭き」であり、クズの語源は「糞」と言う説があるようだ。

 著者は、エピローグで、ヨーロッパで列車に乗った時、トイレのブツを受け止めるところに穴が開いており、その下に線路が視えたことに驚いたと書いているが、実は、日本でも昔は、同じ方式だった。著者は、日本で見たことがなかったのだろう。このあたりのジェネレーションギャップ(地域的なギャップ?)を感じてしまう。

 アイドルはウンコしないという伝説があった。そういえば、アニメなんかでも排尿シーンはたまにあるが、排便シーンはほとんど見ない気がする。ウ〇コネタ(伏字にするのは意味があるのか)があるのは「ソウナンですか?」(相良梨々、(原作)岡本健太郎)くらいしか覚えがないのだが。でも食べることが大事なように、同じくらい出す方も大切なのである。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

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半七捕物帳 09 春の雪解

2020-11-12 09:07:30 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)

 

 

半七捕物帳といえば、最初はホラー風味で始まり、事件が解決した暁には不思議なことは何もなかったというパターンが多いが、これは珍しくホラー要素が残るような作品だ。このタイトルは半七の好きな狂言のタイトル「忍逢春雪解(しのびあうはるのゆきどけ)」からの連想からきているらしい。

 内容の方だが、按摩の徳寿は、廓の辰伊勢の寮に呼ばれると君が悪くてゾッとするというのだ。花魁の誰袖(たがそで)に呼ばれていくと、花魁の傍に誰か来て座っている気がするというのである。この時代の按摩は目が不自由な人が多かった。恐らく視覚の代わりに別の感覚が発達していたのだろう。

 これに挑むのが半七親分という訳だ。実は、その裏にはトンデモない事件が潜んでいたのである。しかし徳寿の感覚は解き明かされずに不思議なこととして残ったままだ。

 本作から読みとれることは、次のようなことかな。
1.女の嫉妬は恐ろしい。
2.悪銭身につかず。
3.世の中には、どうしようもないような人間がいる。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

 

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これは経費で落ちません!  ~経理部の森若さん~  2

2020-11-10 10:05:47 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)

 

 このシリーズ、初めて読んだがツッコミどころ満載だと思う。主人公は森若沙名子27歳、中堅石鹸メーカー天天コーポレーションの経理部員。この作品は経理に関するミステリーの連作短編集になっており収録されているのは以下の4編。

〇第一話 取材は広報課を通してください
 広報課のベテラン社員、皆瀬織子は、撮影のためと言って、高価なシャツを経費で落としていた。

〇第二話 女には女の戦いがある・・・・・・らしい・・・・・・
 一言で言えば、いわゆるオツボネさまの話。

〇第三話 気にしないでいいよ、おごるから。出張手当入ったから!
 営業部の山崎修一は、営業部の真のエースと言われていたが、いつも長めに出張を入れていた。

〇第四話 これは本当に経費で落ちません!
 業務上横領の話。

 さて、気になるところだが、 まず経理部の人数が、部長も含めて4人らしい。彼らが勤めているのが天天コーポレーションの本社だ。本社に何人いるかは分からないが、よくこの人数で回せるものだと思う。そしてこの巻を読む限り、部長の下には、課長や係長、主任と言った役職者はいない。

 部の下に課がある部署もあるのに、たった4人で部と言うのも変だ。まあ、そんな会社もあるかもしれないという可能性は否定しないが、部長含めたった四人なら、別に部とせず、社長直属の課とか係にするという方法もある。

 また、この会社では、出張旅費の精算まで経理部が関わっている。私が昔いた会社では、出張旅費の処理は所属長で完結して、領収証などの証票書類は所属長が保管。あとはシステムの方で行うという仕組みだ。つまり経理部員は他部署のこまごまとしたことは、各部署に押し付けて、ほとんど関わっていない。それでも経理部には何十人と人員がいた。本当に4人で回せるのなら、昔いた会社の経理の連中はよほど無能だということになってしまう(その可能性はあるが)。

 もうひとつ感じたのは天天コーポレーションは、お金の管理についてかなりユルユルだということ。私も内部監査の経験がかなり長いが、この巻に出てきた例は全部アウトか果てしなくアウトに近い灰色だろう。わたしだったらみんなアウトにする。さすがに、第四話は完全にアウトだが、第二話は犯罪だし、第一話と第三話は、いくら部長が認めたとしても第三者からみればアウトだろう。この会社は内部監査などをやっていないのだろうか。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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数値の処理と数値解析

2020-11-09 12:31:33 | 書評:学術教養(科学・工学)

 

 本書も放送大学のテキストである。扱っているのはタイトルの通り数値解析。数値解析とは、方程式を解析的に解くことが困難なものを、数値より近似的に解く手法である。重要な手法だが、通常膨大な計算を伴うので、大変な作業量だったが、コンピュータの発達によりやりやすくなった。

 ただ問題によっては、コンピュータを使っても、計算量が膨大なため、ものすごく時間を要するようなものがある。また昔はメモリそのものの実装量が限られていたし、コンピュータの計算速度も遅かった。そのような中で先人たちは、様々な工夫を行いチャレンジを続けてきたのだ。

 しかし、近似値なので、誤差の問題がどうしても付きまとう。特にカオス的なものは、初期値のほんのわずかな差が時間と共に増大してしまうので注意が必要だろう。

 さて、本書ではその数値解析で行われていることを、様々なトピックにより説明している。あまり正規の大学通信教育でこのような科目があるのは放送大学くらいだろう。本書は各章末に練習問題がついており、最後の解説付きで解答も掲載されているのでこの方面に興味がある人は読んでみるといいと思う。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

 

 

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