種無高校を舞台に、アホだけどかわいい奇術部部長の先輩(3年)女子と、1年生男子の助手君の部活風景を描いた手品先輩の2巻目。なにしろこの奇術部、正式な部ではない。先輩と助手君の二人では部活の要件を満たさないのだ。だから助手君の入部届も却下された。でも助手君、隣の化学部に籍だけおいて、実質は奇術部員のまま。助手君、どうも先輩を一人にしておけないようだ。
ところで、この先輩、人前で手品をしようとすると、極度のあがり症がでて吐いてしまう。(それでなんで手品をしようと思ったのかは謎だ。)
先輩、助手君に「今日は何の日か分かる?」と聞いていた。その答えは、「助手が入部してからちょうど1ヵ月記念日」だそうだ。助手からは、「面倒な彼女か!!」と突っ込まれていたが、どれだけ助手が来て嬉しかったんや?
先輩が和妻(日本版の手品)をしたときのこと。紙うどんの芸をしようとして、火をつけたところ、その前に見せた「胡蝶の舞」の紙でできた蝶に燃え移ってしまい、スプリンクラーが稼働した。先輩はこの時は「水芸です」と言っていたが、助手君が「んなわけあるか」と突っ込んだのは当然。
やっていることは結構アホなことばかりだけど、かなり可愛い先輩。こんな先輩がいれば高校ライフも楽しいかもしれない。
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※初出は、「風竜胆の書評」です。