文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

ソウナンですか? (7)

2020-11-08 09:52:26 | 書評:その他

 

 

 4人のJKたちの無人島サバイバルライフを描いた「ソウナンですか?」の7巻目。ちなみに、4人のJKとは、活動的でちょっと脳筋な鈴森明日香(以下アスカ)、お嬢様な九条紫音(以下しおん)、優等生の天谷睦(以下むつ)そして遭難のプロ?の鬼島ほまれ(以下ほまれ)の4名である。この巻では、ほまれたちが島脱出用の船をつくるというのがメインの話だ。

 大体恥ずかしい思いをするのは、アスカかしおんの役なのだが、既にアスカは吹っ切れてしまったようだ。「『はじらい』って何、それって食べれるの?」といった感じである。しおんは、まだまだ修行が足らない(何の修行や?)。アスカはみんなのムードメーカーという面があるが、この巻までくると完全におバカキャラが身に付いたような気がする。

 この漫画をよく読んでおくと、自分が遭難したときに困らないかも? サバイバルが趣味の人、無人島生活を計画している人(いるのか?)にはお勧めかも。

☆☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

〇関連過去記事

・ ソウナンですか?(6)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

死者の学園祭

2020-11-07 11:04:08 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)

 

 

 主人公は結城真知子という女子高生(高2)。父の正造の仕事の都合で、大阪のM学園から東京の手塚学園に転校してきた。

 彼女が大阪のM学園にいるときに、同級生の山崎由子が学校で自殺するのを目撃した。校舎の4階の、僅か数センチのベランダの手すりの上を歩いていて落ちたのである。いったなぜ彼女はそんな真似をしたのか。

 そして転校先の手塚学園でも事件が起きる。3人の仲良し女子高生のグループが次々に死んでいくのだ。

 地理的に離れている大阪と東京の事件。果たして関連性はあるのか。そして事件の裏にある驚くような秘密。

 「死者の学園祭」とは真知子の恋人である神山英人が文化祭で脚本を書いた劇のタイトルだが、果たして事件にどう絡んでくるのか。

 真知子は事件の謎を追い始めるのだが、周りの人たちの動きがどうもおかしい。おかしいということは分かったが、まさかこんな結末が待っているとは。この事件は、真知子にとっては辛いものだったのだろう。ただ辛いものではあったが、ひとつだけ救いがあった。まるでギリシア神話に出てくるパンドラの箱にただひとつ「希望」が残ったように。赤川作品は時折読んでいるのだが、この作品も面白く読むことができた。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

誇り高い女騎士が堕ちていくアンソロジーコミック

2020-11-06 09:03:09 | 書評:その他

 

 一部の人には圧倒的に人気が高い(と思う)女騎士。本書は、この本は6つの短編を収めたアンソロジーである。

 全部が、全体のタイトルから連想できるようなダークなものかと思いきや、収められている作品の中にはかなりギャグっぽいものまである。

 ところで女騎士といえば「くっころ」と「アへ顔ダブルピース」らしい。(女騎士ならできるもん:p60)ちなみに、みんな知っているだろうが、「くっころ」とは敵に捕まった女騎士の定番の科白で「くっ、殺せ」のことである。また「アへ顔ダブルピース」とは、凌辱された女騎士がやるものらしい。「くっころ」の方は知っていたが、まさか女騎士が「アへ顔ダブルピース」をやるとは。

 なおこの話は、家に仕える女騎士を、その家の公子(ショタです)が、見つけた本にある、あんなことやこんなことをさせるというもの。思わず笑ってしまい、全体のタイトルから連想するようなダークなものではない。ちなみに、本の持ち主はその家のお父さんというオチ。どうもお父さん愛憎のエロ本を子供が見つけたということのようだ(もちろん女騎士もの)。

 凛々しい女騎士ものの好きな人にお勧めかな。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ママとすぅすぅ (うさぎちゃんのねるまええほん)

2020-11-05 11:00:51 | 書評:その他

 

 この本は、ママ大好きなうさちゃんのお話です。うさちゃんの性別は分かりませんが、うさちゃんは茶色兎、ママは白兎なので、きっとパパ似なんでしょう。

 寝る時間なのに、うさちゃんのお目目はぱっちりなのです。ねんとかうさちゃんをねかせようと、ママは奮闘しますが、どうやってもうさちゃんは眠くなりません。あらあら、とうとうママの方が先に寝落ちしてしまいました。それから見せるうさちゃんの優しさにはほっこりとした気持ちになります。うさちゃんは本当にママが大好きなようです。

 面白かったのは、うさちゃんがもっと遊びたいと、バナナを電話に見立ててもしもしとやっている場面。ママもそれに乗っていますが、応答が、「はーい おやすみー」とうさちゃんを寝せる気満々です。それに騙されるようなうさちゃんではありません(笑)この後もママはうさちゃんを寝かしつけようといろいろ奮闘します。

 本書の適齢期は1,2,3歳のようです。「うさぎちゃんのねるまええほん」と銘打たれていますので、子供さんが寝る前に、ママが読んであげるといいでしょう。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

見上げると君は(2)

2020-11-04 09:31:59 | 書評:その他

 

 低身長可愛い系男子の渋木優希と、高身長かっこいい系女子・高峯千賀子の繰り広げるラブコメ。二人は同じ高校に通っている同級生だが、クラスが違うので、1巻で出会うまで、面識がなかった。なにしろ、学校で出会うまで、千賀子は優希のことを小学生男子だと思っていたし、優希は千賀子のことをかっこいい男だと思っていたのだ。

 この2巻では、特に事件は起こる訳ではない。描かれるのは二人を中心とした学校生活。ちょっとした行き違いを重ねながら、「雨降って地固まる」という言葉があるように、ふたりの関係は深まるようである。そしてとうとう、最後の方でお互いの気持ちを告げあう。

 高身長でかっこよく、そしてとっても優しい高峯さん。きっと、優希君でなくても、好きになるのではないかと思う。全4巻なのであと2巻ある。果たしてこの後どう展開していくのだろう。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

半七捕物帳 04 湯屋の二階

2020-11-03 09:34:55 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)

 

 「半七捕物帳」シリーズというとホラー要素が入っているのが定番だった。典型的なパターンとしては、前半でホラー的な話を持ってきて、これは怪談話かと思っていたら、半七親分が見事その謎を解決するというものだ。もちろん解決できるのだから、超自然的なものはなにもなく、人間がやったことだったというのが定番だった。

 この話は珍しく、ホラー要素は少ない。ホラー要素というと侍たちが持っていた風呂敷包みに入っていたもの。これを怖いと感じる人もいるかもしれないが、私の場合には、あまりホラーな感じは受けなかった。

 この話の中心になるのは半七の子分で湯屋すなわち風呂屋をやっている熊蔵。半七親分、いったいどれだけの子分がいるのかとも思わないでもないが、この熊蔵、仲間内からは湯屋熊と呼ばれている。粗忽ものでよく間違いや出鱈目を報告するので、法螺熊との異名がついていた。

 当時は大抵の湯屋には二階があり、若い女が茶や菓子を売っていたのだが、そこに二人の武士が毎日入り浸っていた。この武士たちの正体は?このうちの一人が風呂敷づつみを湯屋に預けていたが、中を検めると、幾千百年を過ぎたか分からない人の首と、なんだかよく分からない動物の首が入っていた。また、会津屋という刀屋に、汚い泥鮫(汚れた鮫の皮)を売っていたのだ。

 これに挑むのが、半七親分というわけだ。最後にすべての経緯が明らかになるのだが、今回はあまり事件性はなかったと思う。いや事件はあったのだが、それは半七が絡む大分前。湯屋の2階に二人の武士が入り浸ることやヘンなものを持っていたことのついては事件性はなかったのだ。

☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

麻雀放浪記 3

2020-11-02 10:49:25 | 書評:その他

 

 戦後の混乱期を、麻雀の腕一つで駆け抜けた「坊や鉄」の物語。原作の阿佐田哲也は、色川武大(いろかわたけひろ)名でも小説を書いており、1978年には、直木賞も受賞しているが、阿佐田哲也の名前の方が有名ではないかと思う。何しろ、麻雀くらいしか男子大学生の娯楽が無い時代に、彼は「麻雀の神様」だったのだから。

 ところで、この麻雀放浪記だが、主人公は坊や哲と呼ばれている。この「坊や」という呼び名からわかるようにまだ少年と言ってもいい年代だ。この坊や哲が、色々なバイニンと麻雀で戦っていくというのが基本的なストーリーである。

 そして坊や哲に対抗するのが、ドサ健と呼ばれるバイニン。完全な悪役で、バイニン仲間もペテンにかけて金をむしり取るやつだ。

 この作品の魅力は、様々なイカサマ技を使うバイニンを、坊や哲がどう破っていくかと言うところだろう。といっても坊や哲がイカサマ技を使わないという訳ではない。目には目、歯には歯なのだ。この3巻では「通し」と「積み込み」が登場する。通しとは仲間と組んで、色々な情報を教えあうような行為。積み込みとは、今のように自動で牌を摘んでくれるのではなく、手積みだった時代に、特定の牌を例えば自分の配牌となる場所に積むというイカサマだ。

 この巻では、出目徳こと大場徳次郎とコンビを組むことになる。出目徳は積み込みの名人なのだが、このオジサン、絶対カツラだろうと、しょうもないところで、笑ってしまった。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

〇関連過去記事

麻雀放浪記 : 1 ,2

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

トラブル事案にまなぶ 「泥沼」相続争い 解決・予防の手引

2020-11-01 14:04:33 | 書評:その他

 

 世の中には相続で争うことが多いらしい。これが、なさぬ仲とかなら分からないこともないが、本書を読むときょうだいや親とかも争うことがあるらしい。

 巨額の遺産があるのかと思えば、本書によれば、一番多いのが5000万円以下の相続争いだという。75.5%がそうらしい(p35)。相続人が何人いるのかは知らないが、多い場合は一人当たりの取り分が少なくなるので、争う必要性がよく分からない。

 よくあるのが、特別利益をどうするかとか寄与分をどうするかと言ったもののようである。もし同居して、親の面倒を見ているのなら、その人が全部取ればいいと思うのだが、今の法律ではなかなか難しいようだ。親の世話は長男の嫁に放り投げているのに、いざ相続となると普段寄り付きもしないきょうだいが口を出してくるというのも良く聞く話だ。

 一番あきれたのは、被相続人の死後10年も経って、怪しさ満点の遺言書が出てきたという例(pp120-122)。本書によれば、この場合でも、その遺言書を無効にするのは難しいということだ。数年で時効にするなど、今後の法的整備が望まれると思う。

 実は私も父と母の財産を相続した経験がある。特にトラブルはなかったのだが、とにかく面倒臭いことが多いというのは実感した。

 生涯でしょっちゅうやるというものでもないため、弁護士などの専門家に任せた方が落ちが無いし、手間も少なくなる。私も手続きの多くを弁護士に任せたが、それでも面倒くさいものが多かった。もっと手続きが簡単にならないものかと思う。

ともあれ、「転ばぬ先の杖」という諺もあるように、本書を一読して、遺留分や寄与分など、色々と知識をつけておけば、いざというときに役立つものと思う。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする