天童よしみ似の女性がいる。
顔、体型、スタイル。
あのイメージ、バランスを、ちょっと一般的標準にアレンジしたようなかんじ。
顔の造作は、天童よしみより、大作りで、きりっとしている。どちらかというと、山村紅葉か。
わたしは、歌手の「天童よしみ」ご本人に対しては、べつに大して興味がない。
強いて無理やり言えば、人並み以上の歌唱力で、その世界で名を上げていて、
歌唱力という部門の才能は一般人に比べると秀でていることは認める。
ましてや、それで生活の糧を得ているのは、評価に値する。
どんな分野の、どんな人にも、その道に秀でた人に対して、同じコメントを発するだろう。
で、問題は・・・
天童よしみご本人ではなく、「天童よしみ似」の、人物である。
この天童よしみ似は、とある、べったべたの大阪界隈に出没する。
映画や、旅行や、大阪といえば、コテコテの、ココ! 道頓堀やら、ひっかけ橋やら、かに道楽やら・・・
そんなこんなを連想される、なんばを中心とした、ミナミと呼ばれる、おおさか臭てんこ盛りの、あの界隈ではない。
もっともっと、ディープな、おおさか。
ありまんねんや、そういうトコが。
まあ、紳士淑女は、あまり、おられない。
今日という日が無事に楽しく済めば、それでいい、
とっても、楽天的で、崖っぷちを崖っぷちとも思わない、
力強い人々が多く住んでいる、おおさかの、某所。
その某所に近い場所に、わたしが行く、社交ダンスパーティ会場がある。
そこは、キタの今、橋下さんが力を入れて整備しているウオーターフロント、(大阪市役所が、楚々と聳え立つ界隈でもある)
そういうエリアに建つ、重要文化財指定の由緒ある建物で、催されるパーティに集う人々と、
ちょっと、雰囲気が違う。
同じ人物でも、会場によって、見栄えが違ってくるし、実際、人々のダンスのレベルは、雲泥の差がある。
ま、それはそれとして・・・
その、天童よしみ似は、某会場で、よく見かけていた。
小指をちょこんと立て、思いっきり澄まして、これ以上は、澄ませないだろうというぐらいの、つんつん顔で、
しゃなりしゃなりと、ダンスを踊っていた。
どこぞのお姫様か、はたまた、人々が、はは~っと、ひれ伏すような、お方か・・・
どう見えるかは別として、ご自分自身のことをそう思っておられるような、高貴なお澄ましぶり。
どうして彼女が、そんなにわたしの目を引くのか・・・自分でもよくわからない。
が・・・・、おそらく、わたしの悪いクセ、怖いもの見たさ、が、悪さをしているようだ。
話したことも、まるでなく、声すら聞いたことのない、彼女。
どんな人物か、性格や行動は?など一切知らず、見た目しか知らない。
でも、興味を引いた。
見たくなくても、わたしの、なにかよくわからない感知センサーが、振動して、振動して、止まない。
自分自身の人格を低める発想、卑しい感覚が露呈されるのは、自分でも避けたいので、
理由を明確に説明するのはやめる。
彼女の外見や雰囲気を説明するだけで、こんなに文字数を費やしてしまった。
その彼女が、わたしのダンス仲間の知人Yさんと、更衣室で話していた。
よしみ似が、ドスのきいた声で、いきなり言った。
「あんた、それ、なんぼやった?
あたしのと同じドレスやん、色違いやけど。今日は、同じドレスになるけど、色が違うから、まっ、ええか。
で、それ、なんぼで、買ったん?
あたしは、8000円定価のとこ、2000円やってん、安いやろ。買わんと損や思て買うたんや。
で、あんた、ぶっちゃけ、なんぼやったん?」
Yさんは、にこやかな笑顔で、答えを濁していた。
あとで、Yさんに、「あの人とえらく仲がいいんやね」と聞いたら、Yさんは、顔を合わすのは2回目だと言う。
いきなり、初対面の時には、
「あんた、何歳?」
と聞かれたそうだ。
「ね、あんた、何歳? 何歳なん?」
そう聞かれて、「あなたと同じぐらいと、ちがう?」と、返答をはぐらかしたと、Yさんは言う。
年、値段、賭けひきなし。おおさかのおばちゃんは、ストレートだ。ストレートすぎる。
わたしも、おおさかのおばちゃんなのだが、いやはや・・・あそこまで自分に素直になれない。
某所パーティがあまりにもレベルが低いので、
対策として、Yさんに教えてもらった、その会場の至近距離にある、プロの教えるレッスンに顔を出してみた。
よしみ似と、Yさんが、初めて顔を合わせたという、ダンスレッスン場だ。(レッスンは、開催されて二回目だった)
そこで、わたしは、よしみ似と、鉢合わせた。
うわっ・・・よしみ似が、いる・・・
わたしは、そう思ったが、よしみ似は、つんと澄まし、挨拶のひとつも、目をにこっとさせることも、
まったく何もせず、当然、話しかけてくることもなく、
わたしという人物を見なかったかのごとく、いないかごとくの無視。(最初、その場には3人しかいなかったのに)
お互い、キライ合っているムードが、おそらく漂っていただろう。
Yさんは、ふっくらしていて、まるく愛嬌ある笑顔で、誰にでも親近感を抱かれ好かれるタイプ。
よしみ似は、Yさんには、こころを許したのか、好意を抱いたか、そりゃ、知りませんが。
いつものご自分の素のまんま、通常モードで接しているのだろう。
前々から、よしみ似が気になるというのは、
好感を抱く場合と、そうでないという場合があるんだ、と、その瞬間に自覚した。
おそらく、Yさん、よしみ似、わたし、は、同じぐらいの歳だろう。
よしみ似に対する感想は、書かない。分析も、書かない。
おそらく、行間に、にじみ出ているはず。
書き出すと、なにを書くかわからないし、わたしには、その勇気がない。
世の中には、同性、同世代でも、いろんな方がおられるようだ。
(へんに、ひねて、ホンネをかくして上品ぶっているより、
地のまま、飾りっ気がなくていい、という見方もあるだろう・・・けれど・・・)