さあ、今朝は10分コース。
ギリギリ人生の体現、なるか。
面白いモノを書くには、面白い人生を送らなければならない。
面白くないモノを書くには、面白くない人生を送らなければならない。
そうだ、その通りだ。
ギリギリの生活をしている人が、ギリギリ感、の磨きがかかって、
悲壮感あふれる、切羽詰った緊張感のある、すごくいいモノを書くこともある。
平凡な人生より、壮絶な人生を送っているほうが、
味のある奥の深い、魂に振れる、地響きのするようなモノが書けるかも知れない。
それは、プロの作家さんにおまかせして、市民は、購買側に回ろうか。
プロの作家さんでも、平凡な小市民であることも、多い。
いかに、イマジネーション、想像力と創造力があるかってことだ。
自分に鞭打って、闘うのって、血肉を削って書くのって、命を縮める作業だ。
でも、そんなに素晴らしいプロ作家の本が、世の中に出回っているのに、
わたしは、じつのところ、まったくといっていいほど、本を読まない。
キライなのだ。
先週も、ジムをさぼって、こりゃいかんと、せめて最低限の運動を、と思い、
ジムのある商業施設まで歩いて行った。
で、とある事情から時間をつぶす必要があり、カフェで時間をつぶした。
その時のために、わざわざ、おフランスの本を持っていった。
その本こそに、わたしの、一見、謙虚風、ねじれ隠れ裏自信ぷんぷん、
自意識過剰癖のある行動特性が、如実に現れている。
おフランスの本は、知的な日本人がフランスやフランス人について、考察、分析しているもの。
そんな本を読んでいるのが、外から他人が見てわかるのがイヤで(誰も見てないのに自意識過剰)
わざわざ本のカバーをはずして、別の包装紙にはさんで、本を持っていった。
おフランスに行った後、買ったものなのだが、まだ3分の1しか読んでいない。
商業施設には、無料のイスが設置されているのだが、あそこで、読むのは、なんとなく気が引けた。
商品パンフレットや、レシートのチェックぐらいならいいが、おフランスの本は、あの場にふさわしくない。
ホンモノの哲学者でない、ニセモノのわたしは、へんに、見てくれを気にする。
なので、それを、持って、カフェに行くことにした。
さあ、入ろう・・・
でも、注文するのは、コーヒーか、ソフトクリームかの選択に店頭で、迷った。
ジムをさぼっているのだから、とうぜん、ソフトクリームは避けたいところだ。
コーヒー・・・? だが、ソフトクリームの魅力に負けそうになり、一旦はその場を去った。
商業施設を一周し、また、そのカフェに来て、考えがまとまらないまま、オーダーを聞くお姉さんの顔を見て、
その場の流れで発注しよう、という、いつもの、場当たりパターンに行き着き、結局、ソフトクリームを頼んでしまった。
まあ、それは、いいとしよう。
座った席が寒い、エアコン、なんで、きかせる?
もう、秋も深まり、寒いのに、客を一時も早く、退散させたいのか?
商業主義め・・・と思いつつ、いったん、脱いだコートをまた、はおる。
(よっこらしょ。キツイのよ、このコート。着にくい。上娘のだから、サイズが・・・)
おフランスのように、屋外に面したカフェテラスならいざ知らず、室内で、コートを脱いだり着たり、忙しい。
こういう時こそ、ああ、ホットコーヒーにしておけばよかったかも、と思いつつ、
冷たいソフトクリームをちびちび、なめる。
ソフトクリームは、溶けたら台無しなので、ソフトクリームのみに集中して、一心不乱にソフトクリームをたいらげた。
で、おもむろに、その、カバーを外した、おフランスの本を読み始めた。
最初のページ・・・おフランス人のブランド志向について。
反対運動が起こって、地下鉄の広告などを塗りつぶした運動をした市民に、多額の罰金が課せられ、運動は下火に・・・。
というほんの数ページ、ほんとうに、ほんの数ページ読んで、眠気が襲ってきた。
カフェで、本を読みながら、居眠りって、これって、めちゃくちゃ、カッコ悪い。
公園で居眠りしているほうが、まだいい。商業施設の無料のイス、カッコ悪いって思ったの、だれ?
わたしの美学に反する。
わたしの年齢そのままの、まるっきり、等身大の行動なんだけど、意味も無く、抵抗している。
なにが、言いたい、わたし?
ああ、制限時間の10分は、20分過ぎてしまった。
あとが、地獄の展開だ。
こんな中途半端な状態で、終わるのは、不本意だが、いたしかたない。