麗しの枕草子物語
平安の高級車
わたしたちの時代の乗用車といえば、もちろん牛車でございます。
一口に牛車と申しましても、大臣や公卿方が用いる美しく飾られた車から、身分の低い者が使う荷車に屋根を付けたようなものまで様々なのです。
使われる牛も、逞しくて輝いているような毛並みのものから、痩せ細りよろよろとしているものまで様々ですし、牛飼たちも、服装といい躾けといい、これも大きな違いがあるのです。
そして、やはり、それぞれの車にはそれ相応の品格というものがなければなりません。
例えば、檳榔毛(ビロウゲ)の煌びやかに飾られた高級車は、ゆったりと進ませたいものです。それを、いくら逞しい牛に引かせていて、車の性能が良いからといって、慌ただしく走らせているのは、実に興ざめなものでございます。
反対に、粗末な車をゆるゆると走らせているのは良くありません。もっとてきぱきと走らせるべきです。
これは、いつの時代でも、そうだと思いますわ。
(第二十九段 檳榔毛は・・、より)
今昔物語の源頼光の四天王、坂田金時以下が、牛車に乗って車酔して偉い目にあったのは笑えますよね。酒天童子鬼退治は出来るのに?
さて、牛車は暴走が良くあったらしく、小生所有の年中行事絵巻にもありますので、お時間がございましたら、「牛車乗馬奔暮」で検索でご覧頂ければ幸いです。牛歩だけで無いです。
感染と熱中症には十分ご注意下さい。
いつもご教示感謝いたします。
ご案内いただきました記事、さっそく見させていただきます。
厳しい季節が続きますが、貴兄におかれましても、くれぐれもご自愛くださいますように。