花見酒とは酒屋で1升のお酒を1,000円で借り、2,000円で売ろうとしたが、お互いに500円出して飲みあって、空にした挙句、500円しかお互いの手元に残らなかったという逸話だ。<o:p></o:p>
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ケース1:借金の1,000円で買ったお酒を、自分らで飲んだらGDPの増加はゼロ。Y=C+Sで消費▲Cと同額のマイナスの借金▼Sでゼロ。この場合、Sがマイナス(借金)になる。借金による消費だ。但し、酒屋は1,000円の代金から売主の原価(800円とする)などを引いた付加価値の200円だけがGDPの増加となる。(売上=GDPではない)<o:p></o:p>
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ケース2:お酒を「自分のお金」で買っても同じことで、付加価値(酒屋の儲け 200円)がGDP増加になる。但し、貯蓄から消費を取り崩すので貯蓄(S)はマイナス(借金)にはならない。消費性向が上昇する(貯蓄性向が低下する)状況だ。<o:p></o:p>
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ケース3:他人に2,000円で売れた場合。酒屋の200円に、売上利益1,000円(2,000円―1,000円)が乗り、1,200円のGDP増加となる。消費は2,000円となり、GDP増加分だけ増加している。<o:p></o:p>
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このエッセイでは借金(債務)についての言及がある。ケース1でも借金での消費でも売上が増えて「酒屋」によるGDPは上がる。この借金での消費が景気高揚だとする現在の統計の陥穽を指摘しているものだと思う。まっとうなのはケース3であるが、日本は消費と売上低迷でケース2にも行かなず、貯蓄に向かっている。だから酒屋の200円も増加しない。<o:p></o:p>
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ここでの問題は、アメリカの借金経済での見かけのGDP増加と、それを利用して儲けた金融機関こそ問題である。一種の大型コンゲームだろう。<o:p></o:p>