40年前、1そ(納豆 豆のみ)、2そ(八丁味噌:豆と塩)、3そ(豆、塩、麹 一般の味噌(みそ=3そ))というのを石毛直道さんの系統で読んだ覚えがある。
本論は、東アジア山間部で、粘りの少ない葉の菌を利用した納豆が調味料として使われているという調査とヒアリング、実験が面白い。なお、このエリアでは粘りのあるもち米を使っているのも面白い。流石は早稲田大学探検部出身で早稲田魂がある。日本特有の藁由来の菌利用で作った個別包装型で粘りの強い納豆はむしろマイナーとの指摘は素晴らしい。
知見は:
・納豆を糸引くおかずか(日本での一般)、調味料か(納豆汁など)、保存食かで区分
・味噌と納豆のファジーな関係、
・アジア納豆は山の辺境食、海辺はナンプラー、しょっつるなど魚系、西南シルクロードあたり、スターターは植物の葉、特に羊歯
・室町から江戸時代には納豆汁が関西でも良く食べられていたが、明治に絶滅は理由が不明
・藁は納豆の保存に好適
・ブータン納豆と旧京北町山国の鳥居美恵さんの納豆は味が違うが同じ
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