「前回までの内容について、具体的な例をあげて、くわしく説明を……」という心づもりはあるのですが……。
これから書こうと思うことは、あらかじめ子どもとの関わりの土台部分を共有しておかないと、「読めば読むほど、何のことやらわからなくなった」となりがちな内容なのです。
そこで、子どもとの関わりの土台となるものをわかりやすい言葉で解説しておられる他のブログの記事を引用させていただくことにしました。
(先に書いた「相手と自分の気持ちが強烈に迫る状態」の話は、この土台について十分理解していただいた上でのより繊細な対応を扱っているため、後ほど書かせていただくことにします)
人気ブログ 『保育士おとーちゃんの子育て』に、大人は「結果」をつくりだしたくなる というテーマで書かれた一連の記事があります。
大人は「結果」を作り出したくなる
『大人は「結果」を作り出したくなる』のお話からふたつのこと vol.2
『大人は「結果」を作り出したくなる』のお話からふたつのこと vol.3
『保育士おとーちゃんの子育て』のブログにある一連の記事は、子どもの勉強について書かれたものではありません。
でもここに書かれている
★ 「できるようにしないこと」が子供を「できるようにしてくれる」
★ 「教えない・させない」でも子供は伸びていく
という保育の本質に触れる言葉は、そのまま子どもの学びを支える上での本質を言い当ててもいます。
直接的に子供の姿をこねくり回すことで、大人の望む「結果」を子供に短絡的に持たせる関わりが、子どもが自主的に主体的に自分で考えていこうとする姿を奪ってしまうことは、保育の現場だけで起こっている問題ではありません。
教育現場でも、まだ十分に準備のできていない子に大人の望む結果を即座に求めるあまり、自分の頭で考えようとせずに、言われるままに丸暗記していく姿やただ作業として習ったことをなぞっていくだけの姿につながっているのです。
大人の管理や支配は、教育現場から、自分のアイデア、疑問、知への感動、より高度な内容に踏み込んだ質問などを発信していく姿、自分の思考の筋道を苦労しながら表現していこうとする意欲を根こそぎ奪ってしまいます。
「なにが必要かを伝え、子供にどうすべきかを考えさせ、そして実行させる。それでもうまくいかなかったり、失敗したら、そこにサポートをする。それでもできなければそこから大人が手を貸すのでも遅くはありません。」
という保育士おとーちゃんの言葉は、子どもの学びを支える際にも通じる言葉なのです。
勉強が好きになるまでのプロセス 1
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子どもが「習ってない!くんタイプ」だった場合、次にとおるべきプロセスは、間違っていてもいいからやる気があふれだしている状態で、それを存分にやりつくしてから、次の「理解した上で答えを導きだす」「慎重に忍耐強く考え抜いていく」「考えるための技能を身につけて解く」というプロセスへと移っていくといいのかな……と考えています。
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間違っていてもいいからやる気があふれだしている状態とは、ある意味、学びを支えている大人に対する信頼感がある状態とも言えます。
間違っていても、待ってもらえる、
間違っても、大人は自分の思考の筋道を信頼してくれていると安心している、
間違っていても、それは終わりではない、
間違っても、できなかったと烙印を押されるわけではない、
なぜ間違ったのか考えたり、もう一度チャレンジしなおせば、リベンジできる、
ということを体験的に知っている状態と言えるのです。
また、学んでいる自分自身に対する信頼感が十分ある証拠でもあります。
途中ですが次回に続きます。
最後までパズルを解ききって、深いため息をついていた1年生のAくん。
自分に対する信頼感が高まり、自分への見方が変わったようでした。