2歳児の親御さんたちのグループで、穴を利用して、さまざまなしかけを作る方法を学んでいた時のこと。
「『穴を棒でふさいで、棒を動かすことで小物が下に落ちる』というシンプルなしかけで子どもが熱心に遊びだしたら、次はどうしますか?」とたずねました。
すると、参加しておられたパパさんが、こんな面白いおもちゃを作っていました。
さまざまな方向から差し込まれた棒を上から順番に引きぬくと、ビー玉がだんだん下におりてきます。
そこの娘ちゃんが、不思議そうにしかけを覗きこみながら遊んでいると、赤ちゃんが興味しんしんに近づいてきて、引っ込んだり出てきたりするブロックの棒を触りだしました。
棒が引っ込むと、穴に指を入れて取り出そうとする姿に、一同、大笑い。
こちらは2歳のBくんとお母さんの作品。
棒を入れる穴のサイズが少し大きいだけで、それまでにない面白い動きが生まれていました。
お母さんが上の穴からアヒルを入れると、Bくんが棒を押す時に、アヒルが棒に乗って出てくるのです。
このしかけで「ハト時計」を作ることができるかもしれませんね。
最初のシンプルなアイデアを、知恵を絞って少しだけ発展させるようにして遊ぶと、子どももいっしょになって考えるようになっていきます。
ちょっとしたアクシデントも知恵を使う好機です。
上の写真は、最初、スライドして開閉するドア(写真の右上に写っている緑のブロック)がついた駐車場だったのですが、Cくんが入口を黄色いブロックで埋めてしまいました。
これでは車を入れることができません。
でも、これを見た時、わたしは面白いアイデアを思いつきました。
下の写真のようにCくんが埋めた黄色いブロックの形をつけた鍵を作ると、「鍵をしめると、ドアが開閉できない」「鍵を開けると、ドアが動くようになる」という遊びができるな……と。
差し込んでガチャガチャ回す鍵ではなく、鍵そのものがドアを動かないように押さえているという、遊びの世界ならではの鍵です。
こんな風に、「中に入れない」という困った状況も、創造的に解決する姿を見せると、子どもは子どもで、新たなアイデアを試してみようとします。
ブロック遊びをする時は、「子どもに作り方を教える」のではなく、「子どもといっしょに知恵を絞ることや問題を解決することを楽しもう」という気持ちで関わるのがいいかもしれません。
平たいブロックの板も、ブロックを縦、横、斜めの方向に積んでいくことで、たちまち立体的な作品になります。
階段をつけたり、エレベーターをつけたりすると、子どもは空間を自在に使って遊びだします。
荷物を引きあげる道具も取り付けました。
「3階から2階に下りるのはどうすればいいでしょう?」と相談をいただいたので、らせん状の階段を作る方法を見ていただくと、思わぬ解決法があるもの……と、とても面白がっていただきました。
空間を複雑に使った作品は、遊びをわくわくするものにしてくれます。
子どもは自然に階段や家具や入口などを付け加えるようになると思います。
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