年長のAちゃんの『科学館』。
Aちゃんは教室の定期的なレッスンに通ってくれている子です。
「ブロックで磁石を使って遊ぶ方法が知りたい」と、自分で磁石を持参していました。
ドールハウスの作り方を説明した後で、「これをレストランにしてもいいし、駅のビルにしてもいいよ」と説明していると、「科学館にしたい」と即決しました。
Aちゃんは以前、教室で科学館に出かけたことがあるのです。
その時、感動したあれやこれやを作ってみたかったのでしょう。
そこで、科学館で、「確かあんなの見た……こんなのあったな……」というものを、ブロックで作ったお家に組み込む方法を教えることにしました。
科学館には、磁石のしくみ、光のしくみ、音のしくみ、空気のしくみなどを学べるコーナーがあります。
どれもお家にあるちょっとした小道具で再現することができそうですね。
キーライト(100円グッズ)を使って、上の写真のような投影機を作ってみました。
丸いチーズの空き容器に穴を開けて、セロテープを両面から貼ってマジックで絵を描きます。
丸い箱の中心にモールや針金入りリボンを通すと、ブロックに装着可能になります。
くるくる回転させながら、壁に絵を映します。
回転させることができる投影機の作り方を教えながら、いつも子どもたちが何かに夢中になった際に投げかける質問をしました。
「このアイデアが面白いなと思ったら、次に発展させるために、どんなことをしてみたらいいと思う?」
(この質問は、この言葉通りたずねるのではなくて、子どもの理解する力によって、言葉を介さずに伝えることもあるのですが、今回は親御さんもおられたので、大人向けにそうした質問にしました。)
<発展させる方法 1>
縦のものを横にしてみる
縦のものを横にしたり、ひっくり返したりすると、全く新しい使い方を発見することがあります。
下の写真は、投影機とほぼ同じ仕組みで、磁石の力でモールの花が咲くようにしたもの。
モールを円盤の上に散らして、下から磁石をあてると、モールが磁石に集まってきて、花のようになります。
科学館にこんな展示物があったので。
上の写真はAちゃんが考えた投影の仕組み。
透明の曲面に沿うようにライトを動かしていくと、白い壁の部分に映像が流れるように映し出されていきました。
この輪っかの中央に白い塔を置いたら、全方向から投影できる道具ができますね。
こんな感じです。↓
① 透明ファイルに油性マジックで絵を描いて、細長く切り取り、輪っか状にします。
② 絵を描いた輪っかは動かさず置いたままで、ライトを当てる位置を変えていくと、映っている魚が動いているように見えます。
<発展させる方法 2>
知っていることや学んだことを2つ以上組み合わせる
2つ以上アイデアを組み合わせると、たちまち面白いものができあがります。
お家の上に、ガムマシーンの一部を乗せたBちゃん。
(ガムマシーンとは、バーを押すと、螺旋状のスロープを丸いガムがくるくる回りながら降りてくるおもちゃです。小さいサイズのものは100均でも売っています。Cちゃんは、ガムを入れておく部分を外して、ビー玉を転がす坂として利用しています。)
ガムマシーンの上部まで、ビー玉を送り届ける装置と組み合わせると、たちまちすてきなしかけができあがりました。
↓の写真は、昆虫やロボットの動く手足(←詳しい作り方はリンク先をご覧ください)を、ドールハウスにひっつけたことでできた面白い道具です。
椅子に座っている子のところにロボットアームがドーナツを届けています。
機械化した未来の家を作っていくのも楽しいですね。
<発展させる方法 3>
科学的な興味につながるように遊ぶ
ブロックの内部に磁石を入れると、こんな風に金属がひっつくブロックができあがります。
磁石が落ちないように磁石とブロックの間に折った紙を挟んで調節します。
次回→ 考える力を育むブロック遊び 3 に続きます。
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本を出させていただきました♪