前回の記事で、
その年代、その年代で、とても敏感になっている
数学的なテーマを工作に取り入れる
といったことを書きました。
ちょっとまわりくどくなりますが、そのことについて
書いていきますね。
小学校低学年の子たちは立体物に関する
独特の感性やこだわりがあるな、と感じています。
立体物の見え方やとらえ方が
大人とはずいぶんちがうようなのです。
そのせいで、この時期の子らの物作りを見ていると、
どうしてそんなめんどくさい作り方をするんだろう?
と首をかしげることがよくあります。
下の写真は小学1年生のBちゃんが人形用のベッドに色紙を貼っている様子です。
見ていると、1面ずつ、形を写し取って貼っていました。
こうした作り方は、年長~小学2年生の工作風景ではしょっちゅう見かけます。
立体物を真似て形を作る時も、形を全体としてとらえるのではなくて、
一面ずつ形を描いて切り抜いて、それらを隣り同士張り合わせて作っていくのです。
その後、展開図もどきのようなものを作る時期もあります。
電車でしたら天井面と側面の2枚の
3面がつらなった形。
それを組み立ててから前と後ろの面を
継ぎをあてるように切り取って貼りあわせるのです。(その時点で底はありません)
家を作る場合、床と側面の壁1~2枚の
つらなった形が多いです。
下の写真は3つの面がつらなった形です。
こうした工作上の変化と算数の学習は深くつながっているようで、
小学生になったばかりの子らは『面積』と『まわりの長さ』のちがいが
聞いてもピンとこないのですが、
こうした面に対する独特の関わり方をした後で、
そういった概念が急に腑に落ちるようになるんです。
話が「やる気のスイッチ」という話からずいぶん脱線してしまったのですが……。
ちょうどその時期、その時期の
子どもが敏感になるテーマは、「物作りがあまり好きじゃない」という子も
工作に惹きつけるし、
「勉強は嫌」という子も、算数に興味を抱くきっかけとなりやすいです。
次回に続きます。