虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

工作での材料の使いすぎにどう対応したらいいでしょう?

2016-05-20 14:46:07 | 工作 ワークショップ

2歳児さんの工作 <「できること」「やりたいこと」から 創作へ>

の記事にこんな質問をいただいていました。

ずいぶん返事が遅くなってしまったのですが、

ちょうど材料の無駄遣い道まっ盛りの2歳児さんが

教室に来ていたので、レッスンの様子の紹介がてら、お返事を書こうと思います。

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工作中に一心不乱に何かに取り組んでいる時の声掛けについて。

以前先生が打ち込んでいる時は見守り、あとから一言添える事がいいとかかれていた

記事があった覚えがあります。大人からみると使いすぎに見える行為について

私はつい使いすぎだからとか今日は1つにしようと娘に声をかけてしまいそうになります。

今回の切る行為については

本人の納得するまでやりたいようにやらせてあげたと思うんですが、

その時に行為を制限するような声はかけない方がいいのでしょうか(;^_^A?

大人としては無駄遣いに拍車がかかるのでは!!と思ってしまいます。

又、工作中に雑に色を塗っている娘(私から見ると)に声を掛ける必要があるのか

教えてください。例えば、ここは色がないよー。

たくさんの色を使おう!といったものです。

大人の声かけの内容としては、作ったもので一緒に遊ぶ、ブロックや人形遊び、

ほかの工作と組み合わせて発展させるくらいで、見た目をよくするような声掛けは

控えた方がいいのでしょうか?

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使い過ぎについてひとこと添えるかどうかは時と場合によりけりでしょうが、

ちょうど

自分に自信がない、自己肯定感が低い子 3

の記事で書いたように、

子どもに何を伝えるにしろ、(見守るにしろ、断念させるにしろ)

子どもの体験を大人の目線だけで眺めないように気をつける必要があると思っています。

 

 

2歳くらいの敏感期の子は、セロテープなんかも1時間に1本使いきるペースで

無駄な使い方するので、

たいていの親御さんが注意してやめさせるべきか、見守るべきかと悩むようです。

基本的にわたしは子どもが一心不乱に取り組んでいる場合、材料の無駄遣いがあっても

本人が限界までやりきったと感じるまでつかわせています。

 

敏感期ではない子の無駄遣いは、満たされなさや気分の高揚を解消しようとする

場合もあるので、別の対応が必要なこともあります。

 

 今回は、2、3歳の敏感期の子についての話です。

2歳のAちゃんは、「テープを引っぱって、はさみで切って、ペタリと貼る」という

一連の行為が楽しくてたまらない様子でした。

4歳のお兄ちゃんがスーパーボールすくいの道具を作るのを真似て

自分もストローをトイレットペーパーの芯に養生テープで貼っていたのですが、

すっかり「テープを引っぱって、はさみで切って、ペタリと貼る」ところが

気に入ってしまって、何度も何度もそれを繰り返していました。

 

存分にやらせてあげたいものの、さすがに養生テープはもったいなくて、

5重がさねのテープの山ができていたところで、セロテープをと交換しました。

するとAちゃんはセロテープをどんどん引っぱりはじめました。

テープを引っぱると、どんどん長いテープが現れることに心を奪われたようです。

 

これも、とことん引っぱらせてあげたいけれど、

セロテープではさすがにもったいないので

Aちゃんといっしょに工作で「セロテープ」を作ることにしました。


キッチンペーパーの芯に紙テープを貼って作ったセロテープ。

紙テープの代わりにいらない広告紙などを切ったものでも十分です。

レシートなどを貼るのも喜びます。

Aちゃんはくるくる巻きこむ作業が気に入って、この工作に魅了されていました。


子どもの「もっともっとやりたい」というエネルギー

何度も何度も繰り返して技能を習得していくプロセス

何にもまして大切なものと感じています。

本来なら、そうした子どもの旺盛は創作への熱意は、

自然にある砂や葉っぱや木の実などで満たされるべきなんでしょうけど、

それができない状態なら、次のような「材料の無駄遣いへの付きあい方」を

試してみては?と思いました。


① 無駄遣いを始めたところで、無駄に使ってもいいものと交換する

折り紙を無駄遣いするようなら、いらない新聞や広告の紙を与えるなど。


②リサイクル可能な状態で要求を満たす

切り刻んだものを集めて、別の工作で使ったり、今回のように

行為を満喫できるものを工作するなど。


③2、3歳の敏感期の子が無駄遣いする場合、

「セロテープ3本分くらいは無駄にさせてあげよう」

「折り紙2セットくらいは無駄にさせてあげよう」

「100円ショップの紙コップを3回使い切るくらいは、使わせてあげよう」と

大きく構えていても、けっして物を無駄遣いに拍車がかかったりはしません

繰り返しやりきった後は、次のより高度な活動へと移っていきます。

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もうひとつの質問の色塗りのアドバイスは、全く不要だと思いました。


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