虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

春休みの算数クラブ 3

2014-03-20 13:10:09 | 算数

 

今日の春休み向けの算数クラブには

男の子2名、女の子2名の年長さんたちが集まってくれました。

 

子どもたちに何をしたいかたずねると、

「工作がしたい」「工作が大好き」という声があがりました。

そこで、みんなで工作と

『ポケモンチップ』と『カタンの開拓者』というゲームをしました。

 

子どもと工作やゲームをするとき、

わたしは、それぞれの子が自分の置かれた状況や関わっている物事を

どれくらい正しく認識しているのか把握するようにしています。

 

ついでに次のような点に注意すると同時に、

その場その場で、そうした能力を補い支えるように気をつけています。

 

◎イメージする力は? 

 

◎こちらの説明を聞く力、言葉の理解力は?

 

◎自発的に行動できる?

 

◎注意の持続力は?

 

◎自分の意志を決定する力は?

 

◎推理する力は?

 

◎衝動を抑えたり、気持ちを切りかえたり、

間違いを修正したりする力は?

 

そんなふうに、遊びの場面で、子どものさまざまな能力の高低に気づいておくと、

算数を教えるときにとても役立っています。

 

今回もこんなことがありました。

レッスンの前に☆ちゃんのお母さんから、「間違いを指摘しても、意地になって

修正しようとしません。その都度、きちんと直させるべきでしょうか、

そっと見守るべきでしょうか。」と伺っていました。

 

お母さん方が席をはずしてから、「今日は算数クラブの日だから、

工作も算数をテーマにしたものを作ることになっているのよ。

得点を計算するゲームを作るのもいいし、

好きなものを作ったあとで、それを算数用のゲームにしたり、

算数の勉強に役立つように工夫するのでもいいのよ。」と伝えると、

☆ちゃんは了解して、選んだケーキの空き箱でゲームを作り始めました。

得点を示す方法などをいくつかアドバイスすると、言葉だけで理解して、

作品を完成させていました。

 

丸い筋をカラフルに色分けし、ビーズを二つ入れています。

箱の底を指で叩いてビーズをはねさせて、

二つのビーズが乗った色の得点を足して競うゲームです。

ゲームの底に取り付けた箱に、正解した時に点滅する赤いライトも取り付け、

それぞれの色ごとの得点を書いたカードも作りました。

 

その後「まだ工作したい」と言って、数の合成を当てるための教具を、

作り方を教わりながら仕上げました。

 

そうした姿から、言葉から何をすべきかイメージするのが

上手な子であることがわかりました。

また、自発的に行動できるし、何かを決定するのも得意です。

 

お母さんがおっしゃっていたように数字を書くときに

かがみ文字がいくつかあったのですが、

今回は修正させずにそのままにしておくことにしました。

というのも、ほかの場面で、こちらの指示にきちんと従えていましたし、

お友だちとの協調性があるのもわかったので、

「ミスを指摘して修正させる」という形で教えなくても、正しい見本を見せて、

「よく見本と見比べて、自分の字の中で間違えちゃったなと思うものがあったら

直してね」といえば、自分から進んで意欲的にミスを修正するはずだと

思ったからです。

 

 

レッスンの前に、もうひとりの女の子★ちゃんのお母さんからは、

「飽きっぽくて集中力に欠けます。何でも中途半端なまま、次の遊びに移ります」

といった相談をいただいていました。

★ちゃんは典型的な直感型の女の子で、お母さんのおっしゃる通り、次々、目移りして

新しいものを取り入れたがるところがありました。

あまり自由すぎると、遊びが新しいおもちゃを探索することに終始しがちに

なるようでした。

そんな風に物の扱いは乱雑になりがちでしたが、

実際に何かを始めると、頭の中でイメージする世界はとても鮮明で

ぶれないことがよくわかりました。

「こういうものを作ろう」「こういうことをしよう」と目標が定まったとき、

途中で思うような材料がなかったり、お友だちが自分と同じ材料を欲しがったり

するハプニングが起こっても、その都度、自分でいい解決法を見出して、

一つのことにねばり強く取り組んでいました。

また、自分の作品である庭付きのお家を算数をテーマにしたものにするには

どうすればいいか、これからどんなふうに発展させるつもりなのか

言葉で説明するのがとても上手でした。

 

次回に続きます。

 


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