今日の春休み向けの算数クラブには
男の子2名、女の子2名の年長さんたちが集まってくれました。
子どもたちに何をしたいかたずねると、
「工作がしたい」「工作が大好き」という声があがりました。
そこで、みんなで工作と
『ポケモンチップ』と『カタンの開拓者』というゲームをしました。
子どもと工作やゲームをするとき、
わたしは、それぞれの子が自分の置かれた状況や関わっている物事を
どれくらい正しく認識しているのか把握するようにしています。
ついでに次のような点に注意すると同時に、
その場その場で、そうした能力を補い支えるように気をつけています。
◎イメージする力は?
◎こちらの説明を聞く力、言葉の理解力は?
◎自発的に行動できる?
◎注意の持続力は?
◎自分の意志を決定する力は?
◎推理する力は?
◎衝動を抑えたり、気持ちを切りかえたり、
間違いを修正したりする力は?
そんなふうに、遊びの場面で、子どものさまざまな能力の高低に気づいておくと、
算数を教えるときにとても役立っています。
今回もこんなことがありました。
レッスンの前に☆ちゃんのお母さんから、「間違いを指摘しても、意地になって
修正しようとしません。その都度、きちんと直させるべきでしょうか、
そっと見守るべきでしょうか。」と伺っていました。
お母さん方が席をはずしてから、「今日は算数クラブの日だから、
工作も算数をテーマにしたものを作ることになっているのよ。
得点を計算するゲームを作るのもいいし、
好きなものを作ったあとで、それを算数用のゲームにしたり、
算数の勉強に役立つように工夫するのでもいいのよ。」と伝えると、
☆ちゃんは了解して、選んだケーキの空き箱でゲームを作り始めました。
得点を示す方法などをいくつかアドバイスすると、言葉だけで理解して、
作品を完成させていました。
丸い筋をカラフルに色分けし、ビーズを二つ入れています。
箱の底を指で叩いてビーズをはねさせて、
二つのビーズが乗った色の得点を足して競うゲームです。
ゲームの底に取り付けた箱に、正解した時に点滅する赤いライトも取り付け、
それぞれの色ごとの得点を書いたカードも作りました。
その後「まだ工作したい」と言って、数の合成を当てるための教具を、
作り方を教わりながら仕上げました。
そうした姿から、言葉から何をすべきかイメージするのが
上手な子であることがわかりました。
また、自発的に行動できるし、何かを決定するのも得意です。
お母さんがおっしゃっていたように数字を書くときに
かがみ文字がいくつかあったのですが、
今回は修正させずにそのままにしておくことにしました。
というのも、ほかの場面で、こちらの指示にきちんと従えていましたし、
お友だちとの協調性があるのもわかったので、
「ミスを指摘して修正させる」という形で教えなくても、正しい見本を見せて、
「よく見本と見比べて、自分の字の中で間違えちゃったなと思うものがあったら
直してね」といえば、自分から進んで意欲的にミスを修正するはずだと
思ったからです。
レッスンの前に、もうひとりの女の子★ちゃんのお母さんからは、
「飽きっぽくて集中力に欠けます。何でも中途半端なまま、次の遊びに移ります」
といった相談をいただいていました。
★ちゃんは典型的な直感型の女の子で、お母さんのおっしゃる通り、次々、目移りして
新しいものを取り入れたがるところがありました。
あまり自由すぎると、遊びが新しいおもちゃを探索することに終始しがちに
なるようでした。
そんな風に物の扱いは乱雑になりがちでしたが、
実際に何かを始めると、頭の中でイメージする世界はとても鮮明で
ぶれないことがよくわかりました。
「こういうものを作ろう」「こういうことをしよう」と目標が定まったとき、
途中で思うような材料がなかったり、お友だちが自分と同じ材料を欲しがったり
するハプニングが起こっても、その都度、自分でいい解決法を見出して、
一つのことにねばり強く取り組んでいました。
また、自分の作品である庭付きのお家を算数をテーマにしたものにするには
どうすればいいか、これからどんなふうに発展させるつもりなのか
言葉で説明するのがとても上手でした。
次回に続きます。