前回までの記事にこんなコメントをいただきました。
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いつも虹色教室のブログを読ませて頂いております。
私の娘も、Aちゃんととても似ています。
娘もちょうど小学2、3年生の頃、ダンボール工作にハマり同じように癇癪を起こして毎日暴言暴力、激泣きしていました。
YouTubeを見ながら作っていたんですが、同じように作りたい!間違えたらダメ!
と頑なにこだわっていました。
今すぐ作りたい!今すぐ完成したものを手に入れたいという思いもあるようで、
ちょっと間違ったり、作業が多いので出来ない出来ない、どうするの?やってよ!と喚いていました。
手を貸すと、そうじゃない!というし、口を出すと違う、ママのせいで間違ったとなるし、本当に大変でした。
そんな娘を毎日観察していて、この子はどこにつまづいてるんだろうと眺めていたらあることに気づきました。
口だしも、手出しも嫌がる子なので、私が娘の状態を再現して見せました。
ママも作ってみようかな?
とはじめて、娘が困っているところで同じように困って出来ないよーと言ってみたり、もう失敗したかも!と困ったり、
そうすると、手出し口出しするより、娘も私のやってることに励ましてきたり笑
散々困ったあとで、あっこうするとどうかな?出来た!やってみたら出来たよ!と喜びを共有したりしていました。
そんな私の様子から、娘も自分でやれるようになりました。
その出来事があってから、娘は物作りに目覚めたようでとても急成長したように思います。
Aちゃんもこの出来事で、何か殻が破れるチャンスかもと思いました!
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コメントをいただきありがとうございます。
いただいたコメントの娘ちゃんの姿は、多くの子が急成長する時にたどる姿でもあります。
また、激しい葛藤状態にある子を成長へと導くカギは、コメント主さんの取った
大人も失敗し、困り、それを工夫しながら乗り越えていく体験を見せることでもあります。
今の時代を生きる子たちは、身近な場で失敗したり困ったりした時、知恵を絞って解決していく姿や
ただもたもたと停滞する状態にしんぼう強く向き合うプロセスを見ることは、
ほとんどありません。
ですから、Aちゃんやコメント主さんのお子さんのように
「難しいものも自分だけのアイデアで作りたい」
「最初から完成したものが作りたい」とジレンマを抱いて
大騒ぎしてしまう子は、ある意味、頼もしいのかもしれません。
現代の完成品に囲まれた世界は、「自分でやりたい」という気持ちさえ
子どもたちから奪ってしまいがちですから。
こうした問題は、工作だけでなく、学習の場でも、
さまざまな問題を引き起こしているように感じています。
即答で答えが出せる1,2年生の学習ではよくできるのに、
2段階、3段階の思考や、すこし面倒な手順を踏まなくてはならない問題は
手も足もでなくなってしまう子がいるのです。
勉強で、わからない、できない、という問題にぶつかった時、
時間をかけてじっくり考えてみたり、
他の人の説明に理解しようとする心で耳を傾けたりすることは、一朝一夕に身につく態度ではありませんから、
遊びや工作の中で、少し面倒な作業やこうしたジレンマを体験し、それを乗り越えていくことが
とても大切だと思っています。
前回の記事の
具体的にどうすればいいかというと、言葉でアドバイスするのではなく
選択肢をさりげなく見せるといいのかもしれません。
お母さんから「こうしたら?」という提案がくるのではなく
がお母さんのしていることの中に必要な答えを見つける
ということについて、娘の抵抗感の少ない方法を考えてみたいと思います。
私が工作でも、手芸でも、すったもんだした挙句なんとなく出来上がりかけるだけで、お母さんの方が上手にできる、私は下手だ!とささいなことも比較して落ち込むので,やり方が大事ですよね。