前回、記事中で書いたCちゃんのようなタイプでなくても
アウトプットに時間差があるという子はけっこういます。
わたしはそうしたインプットとアウトプットの個性的なずれをよく理解することが、
子どもの意欲や能力を高めるコツかな、と感じています。
子どもによったら、学習の場面でそういうところが強く出やすい子というのがいます。
勉強でつまずくと、もうどう教えても、何を言っても、
頑として受け入れられなくなる子がいるのです。
その姿は、ひどく物わかりが悪いように見えます。
でも、半日経ったり、1週間過ぎたりしたころ、
再び同じ問題をすると、すんなりできてみたり、教えたことを
難なく理解したりするのです。
そうした子は、「今、みんなといっしょにやっている場でできなきゃいけない」とか
「最初に習った時に理解しないとダメ」といったその場に漂っている空気
で傷つけて、自信ややる気をそがないことが
重要かなと思っています。
インプットからアウトプットまでにこれくらいの時間差がある子として
尊重してあげて、できないで焦っている時に、
「今すぐわからなくても大丈夫。
いつも、わからないと思ってから、これくらい
時間が経つと、なんだ簡単だ、とすんなりできるようになっているでしょ。
あなたは賢い子よ。自分でちゃんと答えにたどりつくよ。
自分の頭の使い方を大事にしなくちゃならないよ」
と励ますようにしています。
大人は自分のものさしを使って子どもの活動を
比べる目、評価する目で眺めがちですが、
すごくレベルが低いことをしているように見えても、
何もしていないように見えても、
それはインプットとアウトプットが同時進行で起こると
思っているから、そう見えるだけ、という場合がほとんどです。
上の写真は3年生のDちゃんが作っていたカフェのドリンクです。
このDちゃんは、インプットとアウトプットが大きくずれるような子ではないけれど、
アウトプットするものの質が、外からの目ですぐわかるような価値でないため、
<いろいろ体験したがるけれど、「ああ、楽しかった」で終わってしまう子>として
見られる面があります。
実際にはかなり能力が高いはずの子なのに、「長い時間、かけて、これを作ってただけ?」
「かなり安易にやりたいことを決めてるんじゃないかな?」という印象を周囲に与えやすいのです。
でも、このDちゃんという子とていねいにつきあっていると、
それは大きな間違いであることがわかります。
話の途中ですが、次回に続きます。