虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

いろいろ体験したがるけれど、「ああ、楽しかった」で終わってしまう 2

2018-08-16 16:36:36 | それぞれの子の個性と才能に寄りそう

前回の記事で、

内向型の子に多いのですが、アウトプットの出方にかなり時間差があり、

アウトプットされたものは、

その子というフィルターを通って収束されているという特徴がある子たち

けっこういるのです、と書きました。

 

みなといっしょに体験している時、これはいいけどあれはいや、と自分で取捨選択するのではなく、

何でもウェルカムという姿勢のせいで、何に対しても強い関心を抱いていないかのように見えたり、

その場で楽しく過ごしているだけのようにも見えたりする子がいるんです。

そうして、興味が拡散していく間、拡散思考をどんどん広げいく一方で、

ずいぶん時間が経って、ひとりになった時、「〇〇したい!」と急に思いついて

何か始めるというタイプです。

その「〇〇したい!」は、明らかに、何となくすごしていた時に見聞きしたものの

影響を受けているだけれど、そこで見聞きしたものをそのまま模倣するようなものでなく、

「その子」というフィルターを通って、体験がまるで結晶したような印象を受けます。

 

晩の算数のレッスンの後で、Cちゃんが急に思いついたように

「ストローを使っていろいろな形を作る本ありますか?」とたずねに来ました。

日中、わたしがお母さん方と見ていた本をそっと気にかけていたようです。

そして、ひとりでせっせとモールとストローをつないで、

正八面体の骨組みを作っていました。

 

 

そういえば、この日の工作タイムに、3年生のAちゃんは、紙に三角柱の展開図を描いて、ケーキを作っていましたし、

そして、2年生のBちゃんは

すいかをかじった時の実の部分の形、つまり球の表面にあたる形を作ろうと苦戦していましたし、

夕食前にはせっせとフェルトの綿に楊枝で刺して、球を作ってましたから、

Cちゃんとしても形の面白さに心が動いていたようなのです。

でも、Cちゃんが、目にするものに興味を抱き、自分の中に取り込んで、

「こんなことがしたい!」と感じるまで、

こんな風にかなりの時間のずれがあるのです。

 

それと、Cちゃんはいざアウトプットするという段になると、

いつも体験をちょっとメタな視点から眺めたようなものになりがちだな、と感じ

ました。

たとえば、Cちゃんは、さまざまな頭脳パズルが好きなんですが、

Cちゃんが一番うれしそうにしている時というのは、

「解けた!」という瞬間より、

自分なりにその頭脳パズルの背後にある規則に気づいて、それを

言葉にしている時なんです。

正解したとか、たくさん問題が解けたとか、1番になった、勝った、ということは、

Cちゃんにとっては二の次であるようです。

 

 


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