2歳2カ月の★ちゃんのレッスンです。
★ちゃんのお母さんからは、1歳半検診で指摘された言葉の遅れと、
日常関わる中で自閉傾向があるのではないかと心配していることを
うかがいました。
虹色教室は病院ではないので、そうした心配の正誤については
アドバイスしかねるのですが、
遊びを通して見えてくるものや必要な関わりを探ったり、
親御さんの不安を和らげるお手伝いはできます。
★ちゃんは名前を呼んでも、振り返らずに知らんふりしているところがあります。
耳の聞こえを心配して耳鼻科に行ったところ異常がなかったようです。
言葉はぼちぼち出ているけれど、
「これなあに?」とか「~はどこ?」「~はどれ?」といった質問は、
理解しているように見えません。
こちらの表情を読もうとする意欲が弱くて、
ちらっと見ても、すぐ目を別の方向に移します。
ままごとのお鍋をスプーンでかきまぜていたので、
手を差し出して、「ちょうだい」と言うと、
気づかないかのようにいつまでも無視しています。
背後から背中をさすると、それも気づいていないかのように
無視していました。
お家で家族が集ってくつろいでいるときも、
★ちゃんはひとりだけふらりとその場を離れて
電気のついていない部屋で一人遊びをすることがあるそうで、
そうした姿が気にかかるというお話でした。
また外出先で触りたいものがあると、祖父母の手をつかんで、
触らせようとするクレーン現象のようなものもみられるということでした。
★ちゃんといっしょにいろいろな遊びをしてみたところ、
確かに気になる点も多々あるのですが、
「なかなかしっかりしているところがあるな」
「働きかけ次第で、気になるところは軽減しそうだな」とも感じました。
というのも、★ちゃんはだっこしておもちゃを指さすと
ちゃんとさしている方向を見ますし、
「ちょうだい」とやりとりに誘っても無視しているようなときも、
こちらの求めていることに全く気付いていないのかといえばそうではなく、
何となく兆しとしては、「ちょうだい」と頼まれたら、「どうぞ」と渡すやりとりを
学んでいけそうな柔軟な雰囲気をかもしだしてはいるのです。
こうした兆しは、言葉にして表現しにくいのですが……。
★ちゃんは、「できるか」「できないか」でチェックしていくと、
「できない」がたくさんある子ではありましたが、
「できそう」という可能性を含んだ「できない」がほとんどなのです。
今後もきちんと病院での検査等は必要でしょうが、
同時に親子関係の質を向上させていくことで、
心配なところはひとつひとつ減っていきそうな子でもありました。