King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

よみがえったレイカーズ

2006年05月02日 23時05分19秒 | バスケ
2006/4/28
ARENA: Staples Center, Los Angeles, CA
ATTENDANCE: 18,997 DURATION: 2:32

FINAL    1   2  3  4  T
Suns 27   17  30  18   92
Lakers 31  18  28  22  99
今シーズンの初めとコービーがひとりでひと試合の最多得点のあたり
のゲームを見て、レイカーズはもうだめだなと思っていました。
つまり、コービーが点をとるチームではプレーオフ進出もおぼつかないと
思っていたのです。それは、ヒィル・ジャクソンがヘッドコーチに復帰しても
同じことです。彼がコービーに頼るようなチームを作れば、それは
3流のチームです。ですから、この日の試合の前のコービーの
インタビューもそんなわけないだろうと聞いていたのです。

彼は、前は自分で50点もとらないといけなかったけど今はそんなこと
はない、他のみんなが点を取れるようになったからと。ま、まさか。
自分が50点とっていい気になっていたんじゃないのか。ひとりだけの
チームなんて所詮たいしたことないのです。ましてプレーオフのように
タフな試合が続く場合、自分こそが真のスーパースターだと言う自覚と
エースとの自覚が自信と誇りになり、チームを勝利に導くでしょう。
しかし、それは一皮剥けばただのエゴでしかなく、その自覚もただの
自分よがりにしか過ぎないことも多いのです。

何かというとコービーにパスを回すような、チームを作ったとしたら
それはコーチの怠慢です。彼のトライアングルオフェンスは、しっかりと
ローポストでポジショニングできるセンターとパワーフォワードがいて
機能するのです。ですから、コービー中心のオフェンスよりシャックが
いてこそのトライアングルオフェンスであったわけです。クリス・ミームでは
軽すぎて、しっくりと来る感じがしなかったのです。ところがこの日の
チームを見て丸で見違えてしまっていました。ミームはベンチにもいません
でした。しかし、かつては丸でだめのクワミブラウンが、しっかりと存在感の
あるセンターをこなし、パワーフォワードとしてオドムがいて、しっかりと
パスの回るチームに変貌していたのです。

これはまさにコーチの力と言っていいでしょう。ゲームメイクも相手を
知り、それを上回る試合運びです。皮肉なのは、スマッシュパーカー
です。彼はサンズにいた選手です。彼を首にしてバルボーザをとった
のです。この日のスマッシュパーカーは、目覚しい働きでした。
得点を取り捲るとか、いいパスを出すとか、目立つオフェンスばかり
が取り上げられていましたが、それよりナッシュを完全に止めたこと
と、バルボーザを止めたことでしょう。

サンズも点をとったのが最初ティム・トーマスばかりでしたが、それは
そういうディフェンスになっていたからです。負担のかかった彼は、後半
故障をしてしまいます。サンズには光速オフェンスがあり、ペースをつかめば
いくらでも点をとられてしまいます。きついディフェンスで、一発ずつ殴りあう
ストリートファイト的な渡り合いは、理詰めの試合運びで、得意の形に
させないレイカーズに軍配が上がりました。この第3戦とこの次の第4戦
もまったく同じような展開でサンズの得意の光速パターンになかなか
入らせません。インサイドのプレーヤーが故障続きで、マリオンの負担
が増え、この日もファウルアウトしてしまいます。

サンズがこのまま第1ステージで姿を消してしまうのか、それほどサンズは
痛めつけられた負け方でした。バルボーザのスリーがいいところで悉く
入らなかったり、やられてもやり返す光速オフェンスでナッシュが決められ
なかったり、これは痛いというミスがありました。光速オフェンスもロングパス
一発だけでは、そんなに破壊力はないのです。3対3で相手も戻っている
のにファウルもできずに決められてしまうから光速オフェンスなのであり、
それが出ないのは、ナッシュがパス捌きをまずくしているか、ドリブルで
切り裂くオフェンスを経て一対一での優位を築けていないかです。

展開としては、チームの力と力での渡り合からひとつ飛びぬけたところ
で、エースの力の差を見せ付けた形の第4戦をやったことにより、
レイカースの優位は揺るぎませんし、サンズ危うしです。あの光速
オフェンス炸裂がないまま消えてしまうのか、まったく同じ戦法で
やられているんですから、まさかこのままということはないと思いますが、
ナッシュの表情など見ているとかなりやられた感じがします。
でも、この試合は本当に面白かったです。コート上の興奮と緊張が
伝わる1戦でした。さすがプレーオフです。
コメント
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