King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

駈歩から襲歩へ

2012年03月21日 21時34分45秒 | 珈琲
いつもより多く在庫を用意したと思った先週から
昨日の休日でそれも簡単に片付いてしまい、追加の
焙煎と午後のいつもの常連さんの注文でまたまた
在庫が乏しくなっていました。

『冬の終わりに』を販売終了し、次の季節のブレンドも
決まったのにまだ披露して試飲していただくまでには
至りませんでした。

新しく入れたブラジルサンマリノをベースにすれば
安定感のあるいい味のブレンドが出来るというのは
予感というより実感として期待できる物を感じました。

実際、巷に沢山ある多くのブレンドは、落ち着いた
ほっと一息の深い味合いというイメージの珈琲らしい
味の表現になっています。

これにスパイスで何々を足してといった感じの作られ
方のようです。

サンマリノはそんな思いも受け止める深い味わいのある
豆です。

私も一時はそれに頼ろうとしました。

しかし、春のブレンドとなればそれでいいはずはありません。

春は前にもいったように新の出発の時で、もちろんその前に
卒業という別れもあるのです。

そんな時に、ゆったりとほっこり落ち着く味に安寧と
拘泥しているわけにはいかないはずです。

というわけで、気分を替えて夜の野原になく野鳥の声に
静に耳を澄ませ、イメージをかきたてました。

いまでも当店に訪れるお客様の多くは、酸味のある珈琲は
苦手とおっしゃいます。

しかし、前回『林檎』が大好評だったように珈琲の
醍醐味は酸味にあるといっても過言ではありません。

これに触れずに珈琲の全ての味が整ったブレンドは
語れません。

というわけでブラジルベースというのはあきらめて
アクティブな感じに仕上がりました。

明日より発売いたします。
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『道化師の蝶』読了

2012年03月21日 09時53分02秒 | 読書


賞なのでむずかしいのを選んでおきましたという感じ。

でも、音楽でもそうだけど現代音楽とクラッシックの違い
で指揮者さえ暗譜では指揮できない現代音楽のように聴く側の
姿勢も問われるそんな形式を進んでいるとかあたらしいと
するのなら小説としての完成もこんな形でいいのかと問われて
いるかの様で安直にはうなずけないのです。

この本と同時に新聞の連載を読み、モーニングの巻末の小説を
読んでいますが、どれもそれぞれにおもしろいと感じます。

新聞小説とか週刊誌の連載などは途中で読者が脱落してしまう
可能性は高いのに、逆に読む者を楽しみにさせ新聞や週刊誌を心
待ちにさせる気持ちをかきたてるそんなのがやはり小説には必要
だと思います。

それが金をとって文章を売る人の必須の力量であり、読ませる
ものがあるという売り手の資格のような物だと思います。

難解でもしりたいという気持ちを主題に触れた喜びをもたらす
ことが必要だと思います。

しかし、この本は自己満足で終始しているので、読んでいる人の
次の刺激がないのです。

自分のうちから反応する物がないのです。

なるほど色々なアイディアや見せるべき技はあると見受け
ますが、それは最終の物に結実していないのではないでしょうか。

作者の破綻と安寧が求める芸術に結実していないそんな印象です。
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