金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

小松和彦 『酒呑童子の首』

2006-08-16 22:38:21 | 06 本の感想
本の感想164:小松和彦『酒呑童子の首』(せりか書房)
★★★★☆

酒呑童子、玉藻前、小栗判官などなど、説話を題材に
異類や異界について考察した論文・エッセイを集めたもの。
この筆者の本、わたしは5冊ほどしか読んだことがないのだけど、
民俗学では有名な方なんでしょうか。よく名前を見かけます。
上田秋成『雨月物語』を読み返したくなってきた。
菊池照雄の『「遠野物語」を歩く』が出てきているのも
うれしいところ。
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江國香織 『すきまのおともだちたち』

2006-08-16 22:37:28 | 06 本の感想
本の感想163:江國香織『すきまのおともだちたち』(白泉社)
★★★★☆

雑誌MOEに連載されていた物語。
旅先でふいに現実世界を離れ、帰れなくなってしまった
新聞記者の「私」。
うまれたときからひとりだったという女の子と、
車を運転し、話す「お皿」と出会い、共同生活をするうちに
いろんなことを学び、友情を育んでいく。
会うのも別れるのも突然で時期を選べない、
だけど人生のうちで何度かいっしょに素敵な時間をすごす、
そんな関係が、いいなあと思わせられるお話でした。
これの前に女の子とお皿の出会いを描いた
『おさんぽ』という本があるのですね。

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北村薫 『盤上の敵』

2006-08-16 22:34:18 | 06 本の感想
本の感想167:北村薫『盤上の敵』(講談社)
★★★☆☆

長い間手を出せないでいた一冊。
強盗犯に自宅を占拠され、妻の命と引き換えに
犯人から協力を要請された男。
男の現在と妻の過去語りが交互に描かれる。
前書きにあらかじめ断りがあったように、
爽快な気持ちで読める話ではない。
得体の知れない悪意を体現した女性が恐ろしく、
妻の過去に起こったできごとにも気分が悪くなって
途中で読むのをやめようと思ったくらい。
でも最後のどんでん返しにあっと言わされ、
構成の意味もわかって読後感はやや上向きに。
好みかどうかって言ったら全然好みじゃないので
★三つだけど、おもしろかった。

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江國香織 『赤い長靴』

2006-08-16 13:53:59 | 06 本の感想
本の感想166:江國香織『赤い長靴』(文藝春秋)
★★★★☆

言葉が伝わらない、だけどどうすることもできない淋しさ、
それでも続いていく夫婦の関係。
夫婦の日常を切り取った連作短編集。
明確なテーマやはっきりした起承転結がないので
つまらないという人も多いようだけれど、
個人的にはおもしろく読めた。
関係の改善とか破綻とか、そういうものが書きたくて
書かれた話じゃないんだと思う。たぶん。
主人公である妻が、
「夫がいないときのほうが夫のことを好きだ」
と気づいて衝撃を受けるエピソードがあるのだけど、
……えっ? それってみんなそうなんじゃないの??
わたしは別の意味で衝撃でした

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