吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

破傷風 その1

2007年12月08日 06時33分36秒 | インポート

 過去、何人も見ました。昔は汚い泥のついた傷が原因でしたが、いまでは外飼いのペットの咬み傷もなども原因となります。

 この病気は光や音など強い刺激があると猛烈な全身けいれんを起こします。しかもけいれんの最中も意識は犯されないのが特徴です。呼吸筋もけいれん起こせば呼吸停止がきますし、またこの病気は血圧の変動が激しいく、25mmHgくらいになったかとおもうと、数分後には6mmHgあたりまで急降下することもよくあります。自律神経の波長がとても乱れやすくなっています。基本的にはペニシリンを用いますが、一度発症するとそう効き目はありません。大昔はけいれんを起こさないように暗い静かな部屋にずっと寝かせておくだけが治療でした。その間、死なないものだけが結果的に治癒したということになります。今では鎮静剤でずっと寝かせて人工呼吸器で呼吸を管理します。時に1ヶ月以上もかかりますね。