うちも在宅支援診療所の認可を受けているので訪問診療をおこなっている。ある高齢のご婦人を思い出した。頭は特に認知症もなくしっかりしておられる。ただ足腰が弱いので自分が月2回の訪問診療を行なっていた。ある夜、携帯がなった。「あ 先生ですか? さっきうちの婆さんがトイレで転んで起き上がれないのですよ。なにやら腰が痛いとのことで、ちょっと動かしただけでもイタイイタイと。ちょっと診てくれませんかね?」と家人の電話。あわてて駆けつけると腰椎の圧迫骨折というよりも大腿骨頸部骨折のようである。家人に明日まで安静にして明日1番で入院、手術のできる病院を探すからと確約して引き上げた。さてとはいうものの自分もあてなどなく途方にくれた。90歳以上の高齢の頸部骨折を喜んで手術しましょうと引き受けてくれるところはそうそうない。さてと・・・。