翌日、患家の程近くに大きな病院があるが、だめでもともとと思い連絡を入れてみた。こちらも患者さんのX線をとったわけではない。診察だけで「大腿骨頸部骨折」といっては見たものの、もしもはずれたら大恥である。最初向こうもこちらの説明に普通に受け答えをしていたが、「年齢は?」という質問に「・・・実は94歳・・」といったところ、やはり一瞬向こうの言葉に間(ま)があいた。間違いなく一瞬会話が止まったのである。慌てて「認知症はまったくないこと」「治療に協力的であること」「内臓的には異常がないこと」を付け加え、ままよとばかり「実はご家族が貴院での診療をご希望されているもので・・」とダメをおした。すると「あっ・・・そうなんですか。それならば・・」とようやくOKがとれて「嫁ぎ先」が決まったのである。「家族が貴院を希望」というのは少しばかり誇張が加えられた内容であった。すみません。でもとりあえずホッとした病診連携だった。