自分は近くの小学校の校医をしている。毎年この時期は春の健診の時期である。この前、全校生徒の健診を行なった。ところでウン十年前の話であるが自分もこの小学校に通学していた。大人数で列に並んで一人ずつ校医の診察を受けた記憶がある。まさか自分が後年ここで同じことをしているとは夢にも思わなかった。当時、自分はたぶん随分と落ち着きのない子供だった。「たぶん」といったのは自分には落ち着きがないという自覚はなく、ただ母親からいつも「あんた、少しは落ち着きなさい」とよく小言を言われた記憶がある。今回、健診にいったら多動性障害と印のついた学童もいた。確かに列に黙って並べずすぐにどこかへいなくなってフラフラしているようだ。でも自分が小学校の時は自分もあれくらいだったような気がする。