続けて何人か来院するはやり病のような疾病といったが、時々便秘で便が数日出ず苦しいので何とかしてくれという患者さんが何名か続いてくることがある。すでに下剤も飲んでいる、水分も取っている、家で浣腸もした、それでも出なくて苦しいといわれるのだ。特にご高齢になると便秘は多い。こちらも大変である。まず診察やレントゲンにて腸閉塞でないことを確認する。そして肛門診をして直腸癌などないことも確認する。そして肛門深くに指を挿入して便を掻き出すのである。このようなときの便の感触は、そう、ちょうど柔らかい粘土に指をグニュッといれたような感触であるが、これが人間的で生温かく患者さんのぬくもりが伝わってくるようで、患者さんとの一体感を感じる瞬間なのである。