「電話勧誘ですか?」と、相手の商品説明を途中で遮った。するとその男は「えっ勧誘? 違います新商品のご案内です」と言った。でも商品を売りたいんだろう、そうすれば案内(説明)するだけではなく、購入させることを目的としているのだから勧誘にあたるはずである。「でも・・・、そういうのを勧誘というのではないですか?」 「いえっ、ご案内です」と男はどうやら通常の電話での商品売り込みと自分は一線を画しているような言い方をした。でも、どう考えても案内とはいうがその先には購入させるという目的があるのであるから、やっぱりこれは不愉快な電話売込みなのである。「あっ、やっぱり電話勧誘ですね。じゃあ結構です」と電話を切ろうとしたが、受話器を置いて通話が途切れるまで向こうの男は、「いやっ、実はこの新商品は・・・」と、もしゃもしゃ言い訳だか売り込みだかの会話をつづけたのであった。このような禅問答までさせてくれる電話売込みは、普通の電話勧誘よりももっと面倒くさい。まったく潔くないのだ。