吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

野球部女子マネージャー死亡 学校側と遺族が和解 和解金300万円 その2

2022年04月26日 06時15分59秒 | 日記
 自分が昔、「心肺蘇生法を学校現場にも普及させよう」と、ある行政の委員会で勧めたこともあったが、当時そこに出席した教育長の方から「学校教諭は多くの業務を抱えており、そんなものを挟み込む余地はない」と鼻で笑われた。あれからずいぶん経つが、近年重要性が少しずつ理解され教育現場でのエピペンを含めた心肺蘇生の普及が進んでいる昨今である。
 今回の事件は、「意識がなく普段通りの呼吸でなければ心肺蘇生開始」という流れが理解されていなかった。死線期の顎を動かす動作を「まだ息をしている」として心停止と判断しなかったらしい。大昔の「心肺蘇生なんて・・・」と教育長に言われた時代からみれば進んではいるが、現場でのきちんとした施行はまだまだなのである。それにしても裁判で争われる時代になったのである。学校教師に対する継続する心肺蘇生法の実技実習はやはり重要なのである。