吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

鼻の整形手術後に死亡、聖路加国際病院側に600万円賠償命令…東京高裁が医師の過失認定 その2

2022年04月07日 06時27分02秒 | 日記
 まずは美容目的の形成外科手術を聖路加病院で行っているとは知らなかった。「結婚前に鼻の形を整えるため・・・」とあるので、疾病によるものではなく整容目的なのだろうか。
 さて全身麻酔時における食道への誤挿管であるが、これは気管挿管時に注意しなければいけない合併症である。もちろん頻度は高くはないが起こりうるミスでは有名なものであり、これを起こさないよう、確認のための手順・方法はいくらでもある。
 例えば医療機器などではCO2モニターとかパルスオキシメータだとかでも判断できる。近年ではそれらモニター装着は大きな病院ではルーチン化されているので使用されているはずである。
 昔自分が麻酔科の時はこれらモニターがなかった時代なので、患者の呼吸や血圧、脈拍、または血液ガス分析などで患者から目を離さないよう厳重に注意された。
今回の事故は、よほど口腔、下顎の解剖学的変形でも存在しない限り、起こりうる頻度は極めて低い。しかしながら責任は麻酔医にある。