今ではどうやら「熱発」はすべて「お迎え対象症状」のようである。特に保育園や幼稚園ではその頻度は顕著である。そしてかならず一言「病院で診てもらってくださいね」という文言が帰り際に追加される。この一言で学童の健康管理の責任が果たされたということがアピールできると思っているのであろうか? まあ学校側は「我々医療に関しては分からないので・・・」と言われればそれもやむを得ない。でも誰がどうみても、これも早退させるの?といったものまであるので驚いている。先日、学校で2回下痢したという児童が、そして別な児童であるが小指にとげを指したということで、親に連絡がいき「お迎え早退」させられたケースがあった。「必ず病院で診てもらってくださいね」という丁寧な言葉もついたそうだ。「必ず」という言葉の意味は何だろうか? 学校でそう言われれば、それに従わなければ翌日登校できないのか?とも思ってしまう。
昔自分が小学校のころ(といってもかなり昔であり時代が違うので比較にはならないのであるが)、学校から昼間に親が呼び出されて、付き添って学童を早退させることはほとんどなかったように記憶している。時代は変わり開業して8年になるが、親がクリニックに子供を連れてきて、「今日学校で○○(症状、出来事など)があり呼び出され、病院で診てもらうようにいわれました」というケースが結構多いので驚いている。なんでこんな些細な事で親まで呼び出し早退させてしまうのだろうかと不思議なのである。もしかしたら養護マニュアルなどで、早退させる基準か何かが決まっているのだろうか? あるいはもし症状が悪化したら「なぜもっと早く対応しなかったのか?」というクレームに対応するためのリスクマネジメント保険のつもりなのであろうか?
「明日はダメなの、明日は主人の付き添いで病院に行かなくちゃならないの」というのである。まあ言い方は穏やかであるが結局、明日は自分の都合が悪いので本日こちらが休診でも診て欲しいということなのである。とりあえず症状から緊急性はないことをお話しした。「明日どちらかの病院に行くなら、その時そちらで診てもらったら如何ですか?」と提案した。しかしながら「え~、そこの病院は混んでいるので診てもらいたくないのよ、今、おたくでは診ないの?」と・・・。こちらも答えに窮した。なんだか診療しない自分が責められているような感じもしてきたのである。しかしながら今自分が電話を受けているところは出先である。まだ買い物も終わっていない。転送電話で現在自分がクリニックにいないこともお話ししたが、どうやらそれもご理解頂けてないようである。とにかく今、自分はクリニックに不在であるにもかかわらず「電話に出ている」ことで誤解されているようなのである。物理的に今診療不能であることを念を押し電話を切った。最後まで不満げの様子であった。でもね~・・・、困っちゃうな~。しかしあれからしばらくたつが、その方は一度も来院されていない。ケガの具合は如何であろうか、心配である・・・。
大分前の日曜日のことである。昼間、買い物に出かけている最中に、クリニックへの電話が携帯に転送されてきた。ご高齢の女性のようである。自分は路上にいたが電話に対応した。その女性は当院に「かかりつけ」というのであるが、さてお名前を聞いても記憶にないのである。「うちにかかられたことはありますか?」と確認で聞きかえしても「はいはい、行ったことありますよー」と答えるのだ。しかしよく話をきくと5年くらい前に孫の付き添いで「来たこと」があるものの自分自身の受診歴はないようなのである。これを彼女は「かかりつけ」というのだそうである。 とりあえず話をきいた。彼女は昨日手首を痛めたというのだが、今すぐに診てほしいとのこと。前の晩、自転車を持ち上げた時に捻ったというのだが今日になっても痛みがあるので心配と。今日は休診である旨を伝えた。受傷の状況や症状などから骨折は概ねなさそうである。そこで「骨の心配はなさそうなので明日、外来に来てください」と告げたところ「明日? 明日じゃだめなんですよー」と・・・。
8月です。なんだか今年の夏は暑いような気がします。7月下旬に急に暑くなったので身体が暑熱馴化していないせいもあるのかもしれません。外来で「暑さに馴れるように1日1回は外に出て汗をかきましょう」とお話しするのですが、そこで熱中症で倒れられても困るので、「汗をかくのもほどほどに」とか逆の指示を同時にしたりもします。聞いている患者さんは「じゃあ、どっちなんだよー」と困るでしょう。まあ家にこもり切りもよくないし、外にでて炎天下で激しい運動も危ないので、どちらもほどほど中庸にといったところでしょうか? でも患者さんへの指示の仕方は難しいですね。やはり普段から十分な水分摂取を心がけることは重要ですが、でもご高齢の方は「あたしゃ、十分飲んでるよ」と言う割に、量を確認するとたいして摂取していないようです。高齢になると喉の渇きを感じないと言いますので「時間」がきたら飲水するほうがいいのかもしれません。