吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

中国人の立礼の波紋 その4

2017年09月11日 06時08分44秒 | 日記
 中国人のマナーについて記していて思い出した。この前、中国の患者さんがこられた。
 その方はまったく日本語ができないので、以前何度かうちに来たことのある別の中国人の方が通訳で付き添ってきた。

 母親に連れてこられた患者さんは子供で4歳。数日前より倦怠感と発熱で元気がなく食欲もない。手掌部、足底部には小さな赤色皮疹が多発している。
 そして口腔内をみると小水疱のある粘膜疹がみられた。しかし前胸部や躯幹にも小発赤の皮疹が多発しているのである。手足口病にしてはちょっと違うかも? もしかしたら口腔内の粘膜疹はコプリック斑で、これは麻疹(はしか)かもと思いその通訳の中国の人に「はしかのワクチンは中国で打ってるの?」と聞いた。

 しかし通訳は「はしか? はしかなに?それ、知らないよ、病気?何のこと? ワクチン? 注射、わからないね」と話にならない。
 自分でも診断の自信がないので「小児科で診てもらうよう」と告げたところ・・・・。

中国人の立礼の波紋 その3

2017年09月09日 05時54分41秒 | 日記
 もちろん13億人の人口を抱える中国なのであるから、個人の言動だけをもってして「中国人は・・・」という十把一絡げの解釈は慎まなければならない。
 しかし数年前の中国人の「爆買い観光」では彼らのマナーが問題になった。行列の順番は守らない、銀座の路上で子供に大便させる等、現在の日本では考えられない行動があった。
 これにはやはり「う~ん」ちょっとやはりマナーと言うか、価値観と言うか、常識というものの物差しが日本とはちがうのかな~と思わざるを得なかった。

 歩行者に対して車を停車させて道を譲ったという行為が、脱帽、立礼までされるくらい「特別なこと」なのだろうか? あるいはそれを見た多くの人が「おおげさに賞賛」してしまうということは、なんだか中国は日本と感覚は違うのであろうと思ってしまう。

 しかしあれを「神対応」などとリツイートしたのはもしかしたら日本人かも? 「神対応」などと言う言葉は中国人が使用するのであろうか? もし日本人がそう考えてそうリツイートしたのであったなら、それなら情けないとしか言いようがない。

中国人の立礼の波紋 その2

2017年09月08日 05時59分05秒 | 日記
 どうやらその画像の意味するところは、横断歩道手前で止まってくれた車にその老人が丁寧に感謝の意を表したというのがポイントらしい。
 日本では守られないことも多いが、横断歩道に歩行者がいたら車は停車しなくてはならないのが法規である。
 そして歩行者も自分に優先権があると威張るのではなく、道を譲られたら軽く会釈をしたり手をあげて挨拶したり、感謝の意を示すことが日本では普通のマナーである(守られないこともあるが)。

 日本では昔から、譲り合いの精神と譲られたら感謝の意を示すことは普通で当たり前の慣習である。
 なのであのような中国の動画を見ても「あ、丁寧な老人だな」程度で別段、感動もなにもない。

 これを「感動した」などとリツイートがかなりの数なされているところを見ると、もともと日本と中国でのマナーというか社会常識のラインがかなり異なっているのであろうと痛感した。

中国人の立礼の波紋 その1

2017年09月07日 05時52分20秒 | 日記
 この前、TVで話題になった話。
 中国で、ある車の車載カメラでの映像が映し出された。その車は走行中、男性老人を横断させるために横断歩道手前で車を停車させたところ、その老人は車の前で、脱帽し会釈をしてお礼の気持ちを表わし横断していった。

 この映像がネットに流れたところ「神対応だ」「礼儀がとてもよい」とかで数多くのリツイートがなされたそうである。しかし自分にはその映像をみて
「は? どこが神対応? 横断歩道手前で止まった車が? あるいはお礼した老人がすごかったの?」と意味が分からなかった。

 中国での話なのでマナーとか国民性などが違うので、どこに感動しているのかさっぱり意味不明であった。特にその画像見ても共感もしないし落胆もしない・・・なんのこっちゃ? ・・・だったのである。

気になるところ?

2017年09月06日 05時47分27秒 | 日記
 胸部X線写真を撮影した場合、必ず当日にその写真を提示しながら説明する。時々患者さんが自分の写真を指さしながら「これ何ですか?」と聞くことがある。その「これ何ですか?」と指摘するほとんどの陰影は・・・何だと思いますか? 

 添付写真でも写っていますがどれだと思います? 質問される場合、ほとんど「これ」なのであるが、この陰影がそんなに目立つのか、あるいは気になるのか、こちらとしてはとても不思議なのである。

 患者さんがいつも指摘されるのは右下の横隔膜の下の黒いモヤモヤなのである。答えは胃の中のガス(胃泡)であり異常陰影ではない。質問があるたびにいつも「あ またこれね」と思うのである。

 でもこの添付写真をみて医療従事者ならこの胃泡ではなく他のもっと重大なことに気が付かなければならない。私は見落としませんでしたが冷や汗ものでした。
 もっとも自分の場合は来院時の症状もあわせて知っているので答えは簡単でしたけど。

 でも何も症状などの情報がなく、いきなりこの写真1枚みせられたらチェックできたかどうか・・・?
(ヒント:私はℓⅢ1にしました)

認知症? その6

2017年09月05日 06時05分05秒 | 日記
 もしこの高齢男性が認知症でなかったとしたら、ただの偏屈親父ということになる。これなら目一杯こちらの気分が悪い。今となっては後の祭りであるが、すこし現場で説教でもしてやればよかった(たぶんそんなことしたら余計に揉めることになるだろうけど)。
 
 それにしても「高齢者には敬意を表し労わる気持ちを持つ」ことは大事なことである。しかしながら、いくら何でもこのような高齢者に敬意を表するには少々無理がある。
 高齢であっても公共の現場では譲り合ったり助けあったりする気持ちは大事である。お互いそのような気持ちがあってこそ、人から労わってもらえるのである。いかにも自分が当然の権利のように優先されるべきだなどという威張った言動では誰にも相手にされない。

 きっとあの高齢男性は認知症であったのであろう。
 いやそうあってくれなければ自分の気持ちのやり場がないのである。まさに(;´д`)トホホである。

認知症? その5

2017年09月04日 06時08分51秒 | 日記
 認知症の講演会で聴いた内容であるが、周囲の家族の対応はけっして患者を正したり、否定したり、矯正しようとしないことであると教わった。治りようがないのでいくら頑張っても周囲の家族が燃え尽きるのだそうだ。
 周囲はすべてをあきらめて、「ハイそうです。その通りですね」とすべてを肯定して受け入れることであるそうだ。ここで患者を正そうとしても、患者自身に病気の自覚がないので「なんでこんなにも怒られるのか?」「なんでいつも文句ばかり言われるのか?」と患者自身もストレスになるのである。
 何だかとても不思議なのだがそのような対応が正しいのだそうだ。

 ということで今回、この高齢男性に付き添っていた娘さんらしき人は「~しなくてもいいでしょう!」「そんなこと言っても誰も知らないでしょう?」と高齢男性を制していた。
 認知症患者対応原則からすると患者の矯正は無意味である。もしこの男性が認知症だったとしたら、この娘さんは周囲に対して「大声出してすみません」とか「ご迷惑かけて申し訳ありません」とか言ってくれればよかったのである。

認知症? その4

2017年09月02日 05時33分31秒 | 日記
 さてこの高齢男性の振舞であるが、もし彼が正常の人であれば、いい歳してマナーも守れない可哀そうな人であるか、あるいは被害者意識の強い人とも考えられる。またあるいは「大人の階段」を途中で踏み外して子供のままで歳をとってしまった人なのかもしれない。
 いずれにせよ社会生活を営むには不適当な人である。

 しかしもしかしたらこの年齢である。認知症の被害妄想症状だとしたらもう諦めるしかない。
 認知症は治るものではない。そして周囲のものが治そうとするものでもない。周囲はあきらめて寛容に受け入れるしかないのである。

 認知症は記憶障害の疾病である。通常財布を仕舞って「はて、どこにしまったかしら?」と場所を忘れるのは老化現象で、ただの物忘れである。認知症はしまった場所だけでなく自分がしまったという行為まで忘れているので「財布がなくなった」という。
 そして誰かが(家人が)持って行ったのだろうとか、あげくは誰かに盗まれたといいだす。
 もちろん自分は忘れたという感覚がまったくないので自分は正常だと思っているのである。
 これが認知症の被害妄想の病態である。

認知症? その3

2017年09月01日 05時58分17秒 | 日記
 さて次の階にエレベータが付く直前、いきなりこの男性は「う~、お~降りますぅっっ!!!」と私の顔前で大声を発したのである。
 エレベータ内の乗客はみなびっくりした。でも至近距離にいる私が一番びっくりしたのである。
 すると横にいた娘さんらしき人が「大声出さなくたってわかるじゃないの、静かにしてよ」とたしなめた。

 さてエレベータのドアが開いたその瞬間、その男性は自分の腕で私を突き上げるように押し始めたのである。「降りるよ!、降りるっていったろぉ!」と私に向って言うのである。

 もちろんここでは全員が降りるのであるが自分が我先に降りないと気が済まないらしい。
 彼は私を威嚇するように「俺は足が悪いんだよっ!」ととても足が悪いようには思えない力強い足取りでまわりの人をかき分けて降りて行った。

 娘さんには「足が悪いって、そんなのだれもしらないでしょ?」とたしなめられていた。
 雨はかなりひどい振りであったが天候に負けないくらい自分の気持ちもドツボであった。

 なんて日だ。