吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

震災後10年 その2

2021年03月12日 06時13分17秒 | 日記
 「ちょっと! うちの門柱壊したでしょう。そのまま逃げたね。さあ現場に確認に行こう!」と強い口調で言った。あれだけの破壊である。本人も気が付かないはずがない。内輪差による後輪巻き込み事故は右左折時に多いものである。しかも右側なので運転席からのドアミラーで後方をよく確認できるはずである。これは完全に当て逃げである。
 その男は痩せて貧相な初老だった。こちらの指摘に対して「え? はぁ? ああ・・、あ そうなの?」ととぼける。もちろん認めようともしないし謝罪もない。でも「現場に行こう」というと、意外にあっさりとついてきた。道すがらその男は何も言葉を発しなかった。オドオドした感じがあるところから自分が当て逃げしたことを隠しているようである。「本当に知らない」というような毅然とした態度ではない。「いや、ちょっと細い路地だったもので、つい・・」とか一言でも言えば可愛げがあるのだが。

震災後10年 その1

2021年03月11日 06時10分27秒 | 日記
 東日本大震災後10年の節目である。各地での復興状況も報道されているが、ちょうどコロナ禍と被り復興もうまくいかないところも多い。震災前の土地には戻れない人たちも多いところ、このコロナでまた生活環境に変化を強いられている。被災地は大変なことと思われる。
 ちょうど10年前の震災の日を思い出した。震災日当日の朝のことであるが、どこかの引っ越しトラックがクリニックの駐車場の門柱を壊したまま逃げて行った。近所の方が目撃しそのトラックの会社の名前を教えてくれた。見ると門柱のポールは根元から引き抜かれたようになぎ倒されていた。狭い路地の右折路である。大きなトラックでは無理であるところ無理やりの右折の内輪差でトラック後輪に巻き込まれたのである。
 すぐに追いかけていったら近くのマンションの前に停まって荷物の搬入をしていたのである。

新型コロナワクチン接種後の死亡例1例報告 因果関係は「評価不能」 厚労省 その5

2021年03月10日 06時38分35秒 | 日記
 つい数日前に国内接種者でアナフィラキシーを起こしたという報告がなされた。幸い今のところ恐怖に陥れるような偏向報道は見当たらない。この報道をきくと、あの大江千里が「私はアナフィラキシー起こしました」という虚偽の報道があったにもかかわらず、今回は本当にアナフィラキシーのようである。ただ今回もショックにまでは至らず致命的には至っていないようである。あるいは現場での救急処置がよかったのかも。
 いずれにせよこのアナフィラキシーの報告はワクチン否定論者には「ワクチンでアナフィラキシー? ほれみたことか」と言われるだろう。しかしワクチンはワクチンであり、一定の確率で副反応は起こるのである。ここで「だからコロナワクチンは他のワクチンより危険である」と論点をすり替えられないようにしなければならない。
 このような報道は自然と「コロナワクチンは他のものより危険」という比較発想に繋がりがちである。

新型コロナワクチン接種後の死亡例1例報告 因果関係は「評価不能」 厚労省 その4

2021年03月09日 05時57分40秒 | 日記
 急性期のアナフィラキシーは10万分の1の確率(しかもアナフィラキシー歴のある人)。その他、注射時の痛みや熱発、その後の倦怠感や頭痛などは別に他のワクチンでも同様の話。それで慢性期というか将来的な合併症である遺伝子異常なんて話も理論的にはないという。百歩譲って遺伝子に影響があると仮定しても何十年後の話だ?
 とにかく今は人類が絶滅するかもしれない非常事態。世界的危機なのである。何十年後かに起こるかもしれないリスクをとやかく言うのは、まずは我々がワクチン打って「今」を生き残ってからにしてほしい。目の前のハードルである生きるか死ぬかがクリアできてもいないのに将来的な遺伝子異常が・・・なんて会話は不毛なのである。
 メディアの脅し報道に踊らされる人に対しての説明も面倒だが、ちょっと知識はあるが実用性のない考え方をしている人との会話も疲れるのである。死んで花実が咲くわけでもない。まずは今を生き延びるのが先決。

新型コロナワクチン接種後の死亡例1例報告 因果関係は「評価不能」 厚労省 その3

2021年03月08日 05時57分04秒 | 日記
 当院の外来に通院する高齢の方は「早くワクチン接種開始してほしい」と言う方がほとんどである。しかし中には「ま ワクチンもどうなんだかね? 危なさそうじゃないかね?」と話をふってくるひともいる。
 こちらもついつい「危ない? 何が危ないんですか? 致命的なアナフィラキシーは10万回に1回、つまり飛行機事故の確率と同じですが飛行機乗りませんか?」と話す。
 するとちょっとは知っている人であると「あ いやそうじゃなくてほら遺伝子に入り込んで将来子孫に・・・」などと話を替える。
 とりあえず「ワクチンのmRNAは不安定なのですぐに不活化してDNAに入り込んで遺伝子に影響を及ぼさないと言われてますけど」と言うと、
「・・・でもまだわからなじゃないか、これから年数をおいてみないと分からないだろう」とちょっとは後退するもこちらの話を認めようとはしない。
 これ実はまったく不毛の会話なのである。

新型コロナワクチン接種後の死亡例1例報告 因果関係は「評価不能」 厚労省 その2

2021年03月06日 05時46分30秒 | 日記
 新型コロナワクチン接種後3日目のクモ膜下出血による死亡事例の報道である。この見出しだけみると一般市民は、「ワクチンによる死亡」と短絡的にイメージするだろう。そして「ワクチン否定論者」や人を不安に陥れて視聴率等を稼ぐのが目的のメディアは「だから今回のワクチンは・・」と言う論調でより不安を煽る。某脳外科医のコメントであるが「から揚げを食べて3日後に大腸がんが見つかったという場合、その唐揚げが大腸がんの原因になったと騒ぎ立てるようなものだ」とコメントしている。そのコメントに激しく同意である。くれぐれもメディアが不安を煽らないようにしてほしい。結局何だかメディアの善し悪しで世の中の流れが決まるようである。メディアのまともな姿勢を期待するのだが。

新型コロナワクチン接種後の死亡例1例報告 因果関係は「評価不能」 厚労省 その1

2021年03月05日 05時36分15秒 | 日記
公開日時 2021/03/03 04:51 ミクスOnline
 厚生労働省は3月2日、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種後に1例の死亡例が報告されたと発表した。60代の女性で、報告者によると死因はくも膜下出血と推定されると報告されているという。因果関係は「評価不能」としている。女性は、2月26日に接種、3月1日に死亡した。基礎疾患やアレルギーはなかったという。
 森尾友宏・厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会長は、「くも膜下出血が40~60歳代で比較的起こりやすい疾患とされており、今のところ海外における接種事例でも、くも膜下出血と新型コロナワクチンに関連があるとはされていないようである」と指摘。「偶発的な事例かもしれないが、この症例についても更に情報を収集し、今後の審議会で評価していく必要がある」としている。

暴走 その2

2021年03月04日 05時44分43秒 | 日記
 若者の非常識で無軌道、無責任な行動は目立つのである。またその目立つ行動や無責任発言のインタビューをとることを目的としてTVカメラは取材する。意図的に無軌道な若者を探し出しそれをいかにも若者の代表かのような報道内容にしがちである。
 一方、無軌道な高齢者はそれはそれでまた若者より厄介である。注意するとなまじ齢を重ねた意味のないプライドが邪魔するのか途端に逆切れする。無軌道な高齢者は面倒くさい人が多い(ような気がする)。ということは若者、高齢問わずどの世代にも無軌道で無責任な一群が存在しているのであり、それは決して若者だけの専売特許ではない。無軌道な若者でも齢を重ねると軌道修正し、きちんとした大人になっていく者もきっと多い。
 ということはもしかしたらここで軌道修正できなかった若者が徐々に歳をとって暴走高齢者になっていくのだとしたら話は頷ける。若者は無軌道であっても今後軌道修正できるかもしれないという「伸びしろ」がある。一方、すでに無軌道な高齢者は軌道修正できないまま齢を重ねてきたので、これはものすごく「筋金入り」なのである。
 だからメディアが型にはめようとする「高齢者は分別がよく、若者は無軌道である」というステレオタイプの分類は正しくはない。不思議なのだがメディアは若者のことを悪者にするけど、無軌道な高齢者を悪者にはしないような気がする。
 さてお前はどうなんだと言われたら無軌道は治っていないかもしれないけど職業柄、感染防御にだけは気を付けているし他人にも指導しているつもりであるが。

暴走 その1

2021年03月03日 06時00分01秒 | 日記
 緊急事態宣言中にもかかわらず、繁華街を跋扈する若者の数はどんどん増えている。しかし若者の無軌道ぶりはどうなのかと思わせるようなTVの番組作りは如何か? 大学もリモートのままで家から外に出ない大学生活をおくっている若者も沢山いるのである。どうやら「無軌道な若者」というキーワードは安易に世の中にアピールできるキャッチコピーなのだろう。
 大昔、学生運動の激しい時代は「今の若いものは・・・」と若者は上の世代からやり玉に挙げられていた。その時代だってまともではない上の世代だってたくさんいた。今の時代を見ると「自粛しなさい」という割には「接待を伴う飲食店」に出入りしている国会議員もいる。
 そして自分が見た範囲では、マスクをしないか、しても鼻マスクていどの高齢者が商店街を跋扈している。またその逆にうちの外来には「外に出ると怖いので外出ほとんどしていない」という高齢者もたくさんいる。
 様々であり何も若者だけが特殊なのではない。

ハイリスクな行為 その2

2021年03月02日 05時44分19秒 | 日記
 ということで、換気を利かせ一切の会話のない飲食店であれば密であっても安全性は高い。もちろん飲んで会話したい、大騒ぎしたいという人たちにはありえない店である。しかし試しにやってみたら面白いかも。
 自分のテーブルの所にアルコール除菌された端末画面が各自にあってそこの画面に筆記すると同じテーブルについた全員に画面が共有されるというシステム。店員も一切声を発しないで注文は画面から。「いらっしゃいませ」も「ありがとうございます」もない。客同士は店内の同テーブルにいるので、オンライン飲み会とは異なり「臨場感」と「飲酒飲食の提供」は保証される。
 そして一言でも声をあげたら、「お客さま、ただいま発語されましたので、飲食の提供はこれで中止させていただきます。お会計しますので」というルールにすればよい。
 こんな飲食店や飲み屋なんて全く面白くない。面白くないけどここまでやらないと飲食業は復活しない。残された最後の手だろう。とにかく個人におけるHigh risk behaviorの制限を徹底させることが重要であるのだが。

ハイリスクな行為 その1

2021年03月01日 05時38分26秒 | 日記
 飲食店の時短営業がそろそろ解除の話も出てきた。でもまだ早いと思う。
 感染防止のため各人が気を付けることはやはり会話なのである。その証拠にあんなに密な環境でありながらパチンコ店ではクラスターが発生していない。パチンコ遊戯中は楽しく談笑することはありえない。
 つまり経済をどうしても回復させたいのであれば飲食店の時短営業はすべて解除し、その代わりに飲食飲酒中は一切の会話を禁止し完全黙食にすればいいのである。筆談か手話にするというのはどうだろうか。
 ガンガン換気している居酒屋で密になっても一切の会話がなければほぼ感染拡大は防げる。そんな飲み屋は嫌だ、ありえないというのであれば時短解除はあきらめてもらうしかない。
 飲酒飲食と会話を切り離せないものとセットにするなら、飲食業自体を制限するしかない。ここから会話を切り離すことができたら経済は回復させられる。このアホくさいかもしれない提案をする政治家はだれもいない。
 制限すべきは「営業」ではなく「個人の行為」なのである。