「ちょっと! うちの門柱壊したでしょう。そのまま逃げたね。さあ現場に確認に行こう!」と強い口調で言った。あれだけの破壊である。本人も気が付かないはずがない。内輪差による後輪巻き込み事故は右左折時に多いものである。しかも右側なので運転席からのドアミラーで後方をよく確認できるはずである。これは完全に当て逃げである。
その男は痩せて貧相な初老だった。こちらの指摘に対して「え? はぁ? ああ・・、あ そうなの?」ととぼける。もちろん認めようともしないし謝罪もない。でも「現場に行こう」というと、意外にあっさりとついてきた。道すがらその男は何も言葉を発しなかった。オドオドした感じがあるところから自分が当て逃げしたことを隠しているようである。「本当に知らない」というような毅然とした態度ではない。「いや、ちょっと細い路地だったもので、つい・・」とか一言でも言えば可愛げがあるのだが。
その男は痩せて貧相な初老だった。こちらの指摘に対して「え? はぁ? ああ・・、あ そうなの?」ととぼける。もちろん認めようともしないし謝罪もない。でも「現場に行こう」というと、意外にあっさりとついてきた。道すがらその男は何も言葉を発しなかった。オドオドした感じがあるところから自分が当て逃げしたことを隠しているようである。「本当に知らない」というような毅然とした態度ではない。「いや、ちょっと細い路地だったもので、つい・・」とか一言でも言えば可愛げがあるのだが。