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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

廃屋の再生・・定点観測による

2009-04-13 05:03:16 | 写真とおしゃべり
 前回、廃屋について述べました。
 廃屋は人の居住から解放され、それ自身の歴史を生きているのであって、それに対する感傷よりも、むしろそれがどのように変転を引き受けるかに興味があるともいいました。
 ようするに廃屋フェチなのです。
 え、お前が廃屋だから?ほっといて下さいといいたいところですが、当たらずといえども遠からずです。一見、終わったかに見える廃屋にも、その歴史があるのです。

 
     長い間廃屋でした。一回は倉庫、二階はアパートのようでした

 
      敷地内にはこうしたガソリンスタンド?もありました
   
 しかしその廃屋も、力ずくで取り壊され、更地にされ、そのうえに新しいものが建ったりすると、その前歴によほど思い入れがある人でない限り、そこに何があったのかを思い出せないのが実情です。
 私はつい、こうした状況といわゆる「歴史修正主義」との相関を考えてしまうのですが、話が煩雑になりますのでそれには触れますまい。
 ここに掲げる写真は、三年間ほどの定点観測の成果(?)です。
 そもそもここは、もともとは運送会社の倉庫のようなものでしたが、二階はアパートだったようです。
 今は成人している愚息が、同級生がここに住まっていたとかでよく遊びに来たそうです。
 結構広い敷地内には、倉庫ふうな建物の他、ここから発着するトラックのための給油施設もありました。

 
          いよいよ取り壊しが始まりました

 
         こんなものも出てきました。ガソリンタンク?

 何年位前からでしょうか、しばらくは無人のまま廃墟となり放置されていました。
 廃屋フェチの私の格好の観察対象です。ここを対象とした写真もかなり撮りました。
 ところが、昨年あたりから動きが慌ただしくなりました。
 取り壊し、更地にし、新しいものが建つのです。

 
              そして更地に・・

 それらの展開を一応カメラに収めえたと思います。
 新しく建てられたものへの評価はともかく、やはり個性を抑制した幾分キッチュなものでこの空間は埋められるようです。
 おそらく、ここの写真はもう撮らないでしょう。

 「今時の若い者は」というのは私のような老人にとっては禁句です。たいていは、現実の状況への無理解から発する苦言に終わるからです。
 むしろ、「今時の若い者」から学びたいのです。

 
          久しぶりに覗いたら、こんな風に
        手前は駐車場に、そして奥の方は住宅建設
    全部で四棟、真ん中の二棟は完成、左は工事中、右はこれから

 若い人たちが新しい建造物だとしたら、あなたたちはどんなコンセプトのもとに建っていますか?私たち廃屋を排除し、取り壊すとしたらその大義名分は何ですか?
 これは挑発ではなく、本当に知りたいことなのです。




コメント (1)
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