岐阜に岐阜信用金庫という金融機関がある。県下では十六銀行、大垣共立銀行などに次ぐ結構安定した勢力を誇っている。
その信用金庫がかなりの美術品を収集していて、企業メセナというか、時折その公開展示会を行っているのを岐阜にいながら全く知らなかった。それを知らせて頂き、お誘いいただいたのは名古屋にお住まいの昔なじみの I さん(女性)からだった。
開催初日の26日、開催に先立ってスペシャルトークが行われ、 I さんもお越しになるというので、出かけた。
その収集の内容だが、思ったより幅広く、また層も厚い。
日本画では川合玉堂を始め前田青邨(これは複数)、横山大観、安田靫彦、川端龍子などなどの大御所を始め、佳作が結構ある。
洋画部門では、安井曾太郎に始まり梅原龍三郎(これは6点)から小絲源太郎、杉本健吉へとひとつの流れを観ることができる。
前田青邨の一部 パンフから
私にとって結構意外だったのは、郷土の作家として結構見慣れてきたはずの加藤栄三、東一兄弟の作品が、これまで観てきたものより重厚に感じられたことだ。たぶん、収集されたものは晩年のものが多いためかもしれない。
梅原龍三郎の一部 パンフから
他に東山魁夷、平山郁夫、加山又造などの作品にも出会える。なお、展示会のポスターやパンフに掲載されているのは、藤田嗣治の「婦人像」である。
これらの展示を「企業メセナ」と表したのは、「創立100周年記念 岐阜信用金庫秘蔵名作選」と銘打たれたこの作品展が、なんと無料で公開されることである。これだけの作品を集めた展示が無料という例はほとんどないと思われる。
期間は26日から4月14日、岐阜県美術館第4展示室(10:00~18:00 最終日は13:00)、ただし、月曜日は休館。
岐阜、または近郊にお住いの方には是非お勧めしたい。また。隣の県図書館に行かれた際にでもお立ち寄りいただくと良いと思う。
一通り観終わってから、I さんと昼食。ネットでは連絡があり、最近は映画関係の資料を送付いただいているI さんだが、リアルにお目にかかるのは7,8年ぶりになる。相互の身辺事情など積もる話が弾む。
あいにくと降りしきる雨のなかであったが、充実した時間を過ごすことが出来た。
なお、I さんからは、お土産にオリーブオイルを頂いた。油といえば揚げ物か炒め物、オリーブオイルもサラダのドレッシングとして塩や酢と混ぜてしまって、オリーブオイルそのものを味わう方法を知らない。せっかく頂いたのだから、それを勉強して美味しくいただこうと思う。
I さん、ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。