所用で岐阜ふれあい会館にあるオフィスに。
この中には、岐阜では随一のコンサートホール、サラマンカホールがある。今日は残念ながらコンサートとは無縁の事務的な用事であったが、用件が終わったあと、この先のコンサートの予定のパンフをあさってきたので、日程が合うものは来たいと思う。
このフロアの写真を撮っていたら、やや派手っぽい衣装の6,70代ぐらいの女性がつかつかとやってきて、「いま、私の写真を撮ったでしょう」と詰問された。
「いやいや、あなたが通り過ぎるのを待ってシャッターを押しましたよ」と、このホールで撮ったスマホのすべての写真を再現してみせた。
「アラ、ほんと。ごめんなさいね、疑ったりして」と彼女。
あらぬ疑いをかけられたわけだが、不快感はなかった。彼女の抗議の仕方、その引き際がどこかさっぱりしていて、とても自然だったからだ。
変に矛盾した話だが、そんな彼女の写真を撮っておけばよかったと思ったほどだ。
あらぬ疑いをかけられたわけだが、不快感はなかった。彼女の抗議の仕方、その引き際がどこかさっぱりしていて、とても自然だったからだ。
変に矛盾した話だが、そんな彼女の写真を撮っておけばよかったと思ったほどだ。
ここまでの5枚の写真はこのふれあい会館で撮ったもの。
その後、せっかくここまで来たのだからと、すぐ近くに昨年はじめに出来上がった新しい岐阜県庁舎へ立ち寄る。ここでの見どころは、20階にある360度が見渡せる展望回廊だ。長年県民税を払い続け、それがこの新庁舎の建材の一部になっているかもしれないのだから、それを見ておかない手はない。
20階へ上がる。平日の午後とあってか ほとんど人影は無い。エレベーターから出た所はほぼ中央部分なので、そこを起点に時計回りで回ることにする。
かつてこの場所に県庁ができたおり、なぜ田んぼの中との批判もあったが、そのせいで周りには高い建物は全くなく、したがって遮るものがない展望は360度どこまでも広がる。
最初は北東部、 岐阜市の中心部で 右側の高いビルのあるあたりがJR岐阜駅である。 そして中央の山が岐阜のランドマークともいえる頂上に岐阜城をいただく金華山である。
次は南東方向で、右上に白く見えるのは一宮市のいわゆる138タワーである。 これは一宮(イチのミ・ヤ)との洒落で できた138メートルの展望塔である。 そのすぐ下に広がる緑の帯は木曽川であり、これが岐阜県と愛知県の県境をなしている。
続いては、南南東の名古屋方面を望むもので、中央の白い塔は稲沢市にある三菱の高層エレベーターの実験棟である。そしてその左側が名古屋駅周辺の高層ビル街である。
南西部に目を移すと、長良川があり、その向こうには養老山脈が連なっている。
これは西側。完全な逆光だが、中央の建物はここへ来る前に行ってきたふれあい会館で、その背後に光っているのは長良川である。さらに背景に聳えるのは伊吹山である。
最後は、北側眼下、国道21号線から県庁へのエントランスの並木道である。この道は緑に囲まれゆったりとしていて、私の好きな通りである。
この回廊の床は、まさに「岐阜は木の国」、と言われるようにタイル等ではなく木材が使われている。かつての材木屋の息子としては、 木材についてはやはり好ましい印象を持ってしまうのだ。
4時を回った帰り際、来たときよりもかえって人影が増えていた。
下に降り、駐車場に歩を進めていると、庁舎前を新しい消防車が差し掛かるのに出会った。
今日は、人工の建造物、ないしはそれから見えるものを味わった半日であった。
今日は、人工の建造物、ないしはそれから見えるものを味わった半日であった。