「あいちトリエンナーレ2019」というのを覚えていらっしゃるだろうか。ここでの「表現の不自由展」での大村愛知県知事の処置の不適切さをあげつらった河村と高須の脱線コンビが、何十万という偽リコール署名を生み出す格調高き場外乱闘で有名になったあの国際美術展である。
そういえばと思い出す人も多いだろうが、それと並行して、超芸術家による超芸術活動としての「なごやトリエンナーレ2019」の存在を知る人は少ないだろう。前者の「あいトリ」に対する後者の「なごトリ」であり、数次の超芸術活動を展開した。
トリエンナーレとは三年に一度という意味で、今回はその年に当たる。しかし、主催者側は、三年前のトラブルを想起させるのがマズイと考えたのか、本来は「あいちトリエンナーレ2022」となるところを、「国際芸術祭あいち2022」と名称変更をした。
この日和見主義は、この催しの知名度を損なう面もあるといわれているが、先に述べた「なごトリ」の方もそれに合わせ、「なごや2022」として、超芸術活動を展開するという。
活動が展開された近くの堀川運河
その第一回ともいうべき活動が8月3日午後、名古屋国際センタービル前で行われるというので観に行った。午後5時を期して、超芸術家が出現。
活動内容は、戦時中の空襲警報を鳴らしながらの演説パフォーマンス。その携帯スピーカーが向けられた先は・・・・。そう、6階にある名古屋のアメリカ領事館。
この超芸術活動、動画にも登場するが、警官と私服の公安担当らしき人影も。そう、それが超芸術たる所以。一般的な芸術活動は、力、ないし力への意志を「美のオブラート」に包み表出する。だから力の直接的な表出は一応回避される。しかし、超芸術はそんな回りくどいことはしない。力あるところに力あらしめよだ。
だから、超芸術にはカウンターたる力=権力が誘導される仕組みになっている。
限られた空間での、わずか数分のパフォーマンスであったが、そうした超芸術の内包するものが抽出された瞬間であった。
■超芸術活動の動画