牛込・神楽坂 酒問屋 升本総本店の別館「涵清閣」 主人が語る

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パレートの法則、みたいなもの

2008-03-21 15:57:16 | 附属酒類経済研究所
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いずれも著者は異なりますが、売れ筋のビジネス書のタイトルです。
書店でも平積みになっているし、「?」「!」とかのついた、面白そうなタイトルなので、見かけた方も多いのではないでしょうか。

こうした本で、よく出てくるのが、「パレートの法則」
これは、経済において、全体の数値の大部分は、全体を構成するうちの一部の要素が生み出しているという経験則です。グラフにすると、こんな感じ。

例えば、wikipediaとかでも言及されている例は、こうです。
・ビジネスにおいて、売上の8割は全顧客の2割が生み出している。よって売上を伸ばすには顧客全員を対象としたサービスを行うよりも、2割の顧客に的を絞ったサービスを行う方が効率的である。
・売上の8割は、全従業員のうちの2割で生み出している。
・故障の8割は、全部品のうち2割に原因がある。
・所得税の8割は、課税対象者の2割が担っている。

いずれも、パレートの法則で例示された80%:20%の数字が参考になっています。

お酒の場合で見てみましょう。
日刊経済通信社調べによれば、2007年の総出荷はおよそ380万石です。
蔵元数は、、、免許ベースでは2000弱あるようですが、実際には1500蔵程度ではないかと言われています。

380万石の2割は、、、、76万石です。
さて、石高ランキングを見ると、1位の○鶴が34万石、2位の月○冠は29万石、3位の松竹○が26万石ですから、ここまでで89万石。
あらら、既に23%です。つまり、
「業界全体の23%の出荷は上位3位まで(=0.2%)の蔵元が作っている」
ことになります。こりゃすごい。

ついでに、10位までで184万石(全体の48%)、20位までで229万石(同、60%)、50位までで271万石(同、71%)です。この調子でグラフを書いていくと、、、
なんとなく、

「業界全体の80%の出荷を上位20%(=300蔵)で占めている」

らしいことも想像できます。ふむふむ、100年前のイタリア人(パレートさん)、なかなかやるじゃあないですか。

じゃあどうするの?ということですが、我々は小さい問屋ですから、80%/20%はおろか、1%オーダーの数字でもそこはブルーオーシャン。
「良い酒を」「それを(意識的に/無意識に)必要とされるお客様に」「丁寧に」お届けするのみです。
と、言いながら、数字を色々分析してみましょう。結果はまた今度。

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牛込・神楽坂 酒類卸 升本総本店
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