海を見に行く

Ｇ子が午後からヒマか？と言われたけれど、１人車に乗ってしまった。
海が見にいこうと思ったのだ。
でもにぎやかなＧ子がいると、海も海でなくなってしまうような気がする。

こちら方面を走るのによく寄る松屋があって今日もカレーを食うかと思ったら、カレーのポスターが貼ってあった。
ルーはいつもの「オリジナル」カレーと新発売「スパイシー」カレーと2種類あり、それは350円なのだが、それにチキンの具が入っていたり、豚や牛が入っていたりするのを選ぶと値段が上がる。（500円台だったような）

普通にカレーの食券を買って差し出すだけだと「オリジナル」カレーになるようで、「スパイシー」にしてください、と私は言う。
食べてみると、いつもの松屋のカレーに比べると、サラサラしていて言われれば若干アジア系でスパイシーな気もする。サラサラ感はすき屋風である。
それから具がまったく無い。そこもすき屋風である。
味は突拍子もないようなものではなく、松屋の味覚を残したままサラサラ、若干スパイシーの感じ。

これも悪いとは思わないが、ここまで具がないとチキン入りや牛入りでないと物足りないように思い、しかしチキンや牛が入るとたしか500円台になってしまうので、私がブラッと入って食べれる感覚にはなれず、350円も出すんだから、やはり今までのいつものぐらいには具を入れてほしいように思う。
「オリジナル」の方もこんなに具がなくなっているのだろうか、と心配してしまう。
そんなことをしたら、客足はだんだん少なくなるだろう。

私は松屋のカレーが好きなので、とても心配しながら店を出た。


湘南辺りについた頃は４時近くなっていて、駐車場なんかどこにも止められないだろうと思っていたら、案外「空き」があるようで、この時間からでも充分海は楽しめるんだなと思った。
もう早い車は帰りだしている。

たくさんパラソルが並んで、海の家も並ぶ。
そう言えば、こんな夏に湘南の海岸通りを走ったことなんてなかった。

人はこんな時期にあんな所に行くなんて、と言うけれど、渋滞のガードレールの合間から波が見えたり、江の島、江ノ電も走ったりしてるこの海岸沿いの渋滞は大歓迎だ。

しかし帰りはメチャ混みで、進まなかった。
海はうれしいけれど、当たり前に車で行って当たり前に帰ってこれるようになると、ちょっと物足りない。
４年近くも運転していると、昔のあの初めてワクワクした気持にはもう戻れないのだろうか。

海を見るまでが長くて長くて、ちょっと見てから、また長い長い道のりを走る。
海を見に行ったのか、ガソリンと時間を消費しに行ったのか分からないこの虚しさよ。

ふと断わってしまったＧ子に悪かったような気がして、今度チャンスがあったらいっしょに出かけよう。（でももう少し近い所で。）