きっと、いいことあるよね!

母(sake)と息子(keke)の日々の記録。
お出かけ写真と料理など。

転勤のごあいさつ

2021-03-30 | 今の会社

郵便局で印紙を買って帰ろうとすると、郵便局の兄ちゃんがわざわざ来てくれて「今日で最後なんです。」と言う。

「あれ?明日までではなかったでしたっけ?」
「sakeさん、明日いらっしゃるんですか?」
「あ!いいえ。そうですね、今日で最後なんですね。」

お兄ちゃんは「今までありがとうございました。」と言う。
4月から転勤が決まったのは先週聞いていた。

思えば、このお兄ちゃんと話をするようになったのは、ブログをたどると4年半前である。その頃何があったかと言うと、あのポケモンGOが売り出された直後だったのである。私はそれがために初めてスマホを購入するほどポケGOに傾倒していた。そしてその郵便局はそのゲームのポケストップだったのだ。
何気にその話をしたところ、その郵便局で働いていたそのお兄ちゃんが丁度同じように子供とハマっていて、2人で(まだ発売直後でマニュアルもろくになかったので)あーでもない、こーでもないと盛り上がったのが、きっかけだった。

間もなく、私もその兄ちゃんもポケGO熱はなくなっていった。・・というのは、それがあまりに初期だったので、ある時点から全く進まなくなったのである。いつもどこのポケストップもバカ強いオーナーが居座っていたし、まだチームで組むことができなかったので、そこを占領することはそこまで強くない自分ではどうやってもダメで、アイテムも取れないまま進まなくなったのだ。

だが、私と兄ちゃんはポケGOから離れても、仲良しになり、今日はどこそこの道路が混んでいましたねとか、あそこで交通事故があったの知ってます?とか、そんな話題で盛り上がっていった。ある時は郵便局の抽選で当たりをしとめたり、またある時は会社で誰も食べそうに無い飴玉を(ご迷惑でなければ)と持っていったら、とても喜んでくれた。

何気なく「それではまた」と別れたけれど、あの兄ちゃんとはこの先もう会うことは無いかもしれない。たぶん恐らく無いだろう。
・・・・と思ったら、何だかちょっと淋しくなった。

私は本来そう言う人間ではない。
卒業式でも泣いたことが無かったし、この会社とオサラバする日が来ても過去を振り返ることは無いだろうと確信している。私も思い出すことがないだろうし、誰も私を思い出として思い出すことはないのではなかろうか。
何故そうなのかと言えば、社長をはじめとするそう言う集団だから。
あの人も前へ前へと進む人だし、私もそうだ。会社を辞めたら、次はまた自分の好きなことを私は追いかける。他の人もたぶんそうだろう。別にキライとかそういう訳ではない。でも仕事を離れたら、もうわざわざ会うことはないのではないかなぁ。

だけど、あの兄ちゃんの最後の挨拶を思うと胸がキュンとなった。
何故わざわざ、こんな私のために挨拶をしに来てくれたのだろう???それを思うと、ちょっと切ない。たぶん私と彼は、もう二度と会うことはないのではなかろうか。「人生は旅」とはそういう意味なのだろうか?

かと言ってわざわざ連絡先を交換するほどの間柄でもない。
交換したとしても、わざわざ送る用事もないし、「お元気ですか」も変だし。

だからきっと、これでいいのだろう。
人生の旅上で出会った人なのだ。今までいろいろお世話していただいて、今ここでお別れの時が来たのだ。


転勤で いつか会えるか 花惜しむ
(季語:花)