お贈りいただいたのは金沢在住のMY氏である。佐久間盛政一族のご子孫である。ひょんな御縁で長いお付き合いとなったが、この世界のお定まりでまだお目にかかったことがない。今般お送りいただいたこの本は、加賀前田家のお膝元金沢市を本拠地として、歴史・時代小説、戯曲、コラム、エッセイなどを発表の場として活動されている18名の同人誌である。260数ページに及ぶもので、其のそれぞれの内容も素晴らしいものである。
MY氏は朔間久六のペンネームで「湖水の槍」を発表されている。主人公は佐久間盛政の弟・久六安政であり、その初陣の戦いが描かれている。
前々から氏のブログで、小説にチャレンジされることを承知していたが、誠に見事なことに驚き入っている。
又、加賀前田家の家老横山家の横山方子様も、エッセイ金沢県庁に提出した「先祖由緒帳」を お書きになっている。
私が細川家の国元や江戸屋敷に於ける「地震の間」について調べていた折、加賀藩江戸屋敷における「地震の間」の資料をお願いして頂戴したことがある。これとてもMY氏のお力を得ての事であった。改めて御礼を申し上げる。
肥後細川家家臣にも佐久間一族が居られる。佐久間不干齊の家臣であった久野氏は、不干齊の肝煎りによって細川家への仕官したが、その経緯を知る事の出来る又旧主従の暖かい関係を思わせる書簡が残されている。この様なことを通じてのNY氏との出会いであった。
金沢の歴史は奥深く、現代に至っても多くの人達が日常の中にその誇りと共に生きておられることが、このような同人誌の息の長い活動に見て取れる。
羨ましい次第である。ありがたいご厚誼と共にご恵贈に感謝申し上げる。