「歳序雑話」にある熊本の歳末風景である。天和三年(1683)霜月に書かれたものであるが、現代とは異なる当時の風俗・歳時が垣間見えて面白い。
十二月朔日未爽、云節季候者、卒于千門万戸、述種々嘉事、祝家々、求米銭、其形頭挟杜葉 裏白等、以紅布擁其面、
作異形叩弁舌、有加或三味線或小鼓等
廿日已後、市鄽売買之体夥矣、果菜魚鳥、百穀布絹、陶器木器、飲食貨財、一物而莫不交易、皆成待春来之備、市店
之利潤於是矣
廿八日有歳末之拝礼、士長以上、咸献魚鳥美物
晦日、早朝門戸建松竹、成種々餝飾、祝歳時、追儺以節分夕、吾邦都之俗也、熬黄大豆、毎座打蒔、祝曰鬼者外、福
者内、爆竹以上元旦暁天、而不以晦日也、家々遑々、作春之設、実稀惜歳月往人也、只整正厳粛、而千秋万歳而已