鹿島春平太チャーチ

「唯一の真の神である創造主と御子イエスキリスト」この言葉を“知っていれば”「天国での永生」は保証です。

Vol.180 『創造主の命令が“いのち”とは?(1)』(12章)

2006年10月10日 | ヨハネ伝解読


 
 前回に解読したことは、福音の鉄則であり、大枠です。

 ~~創造主から出た言葉は、天の創主王国を統治する永遠の法である。その一方で、この「世」で我々は、人間の作った(悪魔の統治下で)法でもって、善悪を考え、適法、合法を考え、裁きをしている。

~~しかし、「世」の法は一時的なものであって、将来消滅し、全空間が天国の法、すなわち、創造主から出た言葉によって裁かれる。そしてイエスがこの世に来て語っている言葉は、その天国の法そのものである。

 聖書によればわれわれはそういう広大な世界の中で生きているわけです。この枠組みは福音の鉄筋構造ともいうべきものであります。福音の細部を検討するときにも、この構造を意識に留めた状態でなさないと、大局から外れた解読、無意味な解読をすることになるでしょう。

                  


 さて、それを踏まえて本日は次の聖句に参ります。

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=聖句=
 「わたしは自分の権威でこれを語っているのではありません。わたしをこの世に送られた父が、言うべきこと、語るべきことを私に命じられているのです。私はこの命令が永遠のいのちをもたらすことを知っています」(12章49~50節)
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 12章も終わりに近づきました。次回で最終回です。

 49節でイエスは「創主は自分にこう語れと命じられた」と言っていました。それに続いて50章で「創主の命令が永遠のいのちであることを自分は知っている」といっています。

 これはどういうことでしょうね。「創主の命令・イコール・永遠のいのち」とは?
次回と2回に分けて、考えてみましょう。

                  

<命令と説得>

 この解読にはまず、命令という言葉の意味から考えていく必要があるように見えます。命令とは何でしょうか。それは、相手に対して、理解できないところがあってもいわれたとおりに行為することを求める、そういうメッセージですよね。

 「理解できた分だけやってくれ」というのでは、命令ではありません。そういう前提でのメッセージは、命令ではなく、説得であります。

 その場合は、相手はすべてが理解できるまで質問してきます。説得して行動を求める方の人は、説明を加えます。しかし、どうしても理解できないところが残ったら、聞く方はその部分については、相手が求めているように動くことはしません。これが説得です。

                  

この二つを比較することによって、わかってくることがあります。行為を促す方と、促される方との、意識の一致度を比べてみましょう。どちらが高いか。命令に従って行動する場合の方が高いです。

 わからなくても、言われたままにすることでもって、命令を受けた側は、命令を発した側と、より高度に精神的に同化しているのです。

 これが「説得と理解」で行きますと、少し違います。理解できないところは、期待されたようには動かないのですから、両者の同化度、一致度は低いのです。

                  

<徒弟制度の特質>

 この違いは、弟子が師匠から技術を修得する際の姿勢に関係があります。そもそも弟子入りするというのは、師匠は自分を超えたところを持っていると認めるからでしょう。そして超えたところは、言葉で言われても理解しきれないのが多いです。

 そこで師匠は、わからなくても言われたとおりにやってみろ、と言います。やっている内にわかってくるだろう、と。これが同化を通しての修得です。徒弟制度というのは、そういう要素を含んでいる。だから、技術の伝達が速やかに行くんですね。

 ところが、弟子入りしたのに、理解と納得ができなければ言われたようにはしません、というのがいたとします。この弟子は、自己流の中でくるくる回るだけです。師匠が身につけたものを速やかに修得することは出来ません。

 そういう場合、師匠はどうするか。昔は問答無用で殴ったそうです。大工さんの場合は、金槌で頭をこつんとやった。昔は、そうやって弟子を育てたそうです。

                  

<同化が最も効率的>

 小説家になりたいと思う人がいます。なるために最も効率のいいのも、最初にこの同化を行うことなようです。弟子入りしないで、独学で技量を高めようとする場合にも、これはうまい、と思う作家の文章を真似る、写経するのが一番なようです。

 反復していると、不思議に、その人の技量が自分に乗り移ってくるんですね。このようにして、一定の段階まで高速度で技量を上げます。それが済んだら、その上に自分独自のものが積み上がっていきます。

 人間の個性というのは、しぶといものなんですね。誰かを徹底してコピーし、同化しても消滅しない。一定の修得をすると、ある時、自然に登場してきます。だから安心して同化したらいい。このあたりの呼吸が、ものを修得するコツなようです。

 ~~で、次回に続けます。

                    


コメント
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