Sightsong

自縄自縛日記

姜泰煥・高橋悠治・田中泯

2008-05-28 23:59:34 | アヴァンギャルド・ジャズ

下北沢アレイホールで、姜泰煥(カン・テーファン)(アルトサックス)、高橋悠治(ピアノ)、田中泯(舞踏)のトリオを観てきた。

高橋悠治の演奏を実際に目にするのははじめてだ。この、現代音楽の巨匠は、野球帽とサンダルであらわれた。いかにも悠然と空気を読み、短い即興フレーズを、断続的に、しかし執拗に積み重ねていく。

姜泰煥はいつものように座蒲団にあぐらをかいて、循環呼吸での途切れのないサックスを吹く。前に姜泰煥をみたのは、1999年のことだった。それからあと、姜の演奏は、長い音のうねりを中心としたものから、最近、短いピッチの集合体にシフトしたものだと思い込んでいたが、そうでもなかった。この有機体の奔流のような音色は、聴くたびに圧倒されてしまう。そして、田中泯が背後からじわりじわりと迫ってきた。音があってもなくても、会場の僅かな音さえ気になるほどの緊張感があった。


前回聴いたときに、姜泰煥にサインをいただいたサインホ・ナムチラクとの共演盤。ヨハネは洗礼名だとのことだった。