録画しておいた河瀬直美の最近の映画、『殯の森』(2007年)と『七夜待』(2008年)を観る。
ざっくり言えば、両作とも、意志薄弱な主人公が呆然とし、泣き叫び、悦びを見出していくという作品。合計して3時間、ずっと苛々する。何の才能の欠片も見つけることができない。
録画しておいた河瀬直美の最近の映画、『殯の森』(2007年)と『七夜待』(2008年)を観る。
ざっくり言えば、両作とも、意志薄弱な主人公が呆然とし、泣き叫び、悦びを見出していくという作品。合計して3時間、ずっと苛々する。何の才能の欠片も見つけることができない。
「NGO三番瀬のラムサール条約登録を実現する会」が事務局となって開催されたシンポジウム、『みんなの力で守ろう三番瀬!集い』に参加した(2010/11/30、船橋市民文化ホール)。この場所と、千葉県や船橋市が後援していることには理由がある。
三番瀬に関しては、人工干潟の造成や開発、生態系に対する捉え方などを巡って諍いに近い議論がなされてきた。この会は、次回のラムサール条約締約国会議(COP11、2012年)において、船橋側だけでも登録しようとする動きである。
三番瀬は西から浦安、市川、船橋へと広がっている。浦安側については、猫実川河口域の生態系が健全ではなく、また不自然な牡蠣礁が形成されているとの問題点が指摘されている(ただ、これについても賛否両論ある)。市川側については、市川塩浜の垂直護岸により、親水性のなさ(三番瀬に近づけない)、安全性の低さ(危険ゆえ今はフェンスで囲われている)、生態系に与える悪影響などが議論されている。今回のラムサール条約登録の対象は、それらの地域においてなされている開発・保全(人工干潟・覆砂など)などの議論を回避できる船橋側という構図である。
なお、漁業権については、浦安漁協が既に漁業権を完全放棄した(1971年)ため、市川側では南行徳漁協と行徳漁協、船橋側では船橋市漁協が漁業権者となっている。ノリの養殖は「区画漁業権」(海苔ヒビにより場所を占有するため)、アサリ漁業などは「共同漁業権」という形である。ただ、漁業権を個人でなく漁協が代表するように語られることはわかりにくい点ではある。
倉阪秀史氏(千葉大学法経学部)により、「三番瀬をラムサール条約湿地として登録する理由」と題したプレゼンテーションがなされた。三番瀬の円卓会議にずっと関わってきた方である。強調していた点は以下のようなものであった。
(1) ラムサール条約が提唱する「ワイズユース」には漁業が含まれており、すなわち、三番瀬でも漁業者に漁業活動を保証するものである。
(2) 観光やエコツーリズムの観点から、フィッシャーマンズワーフを作るなどの活動があってよい。
(3) 生態系が不健全な場所には、多少砂を入れた方が自然を豊かにする。塩浜護岸の実験では青潮のあとでアサリが出るなどの結果が見られた。自然の反応を確かめながら徐々に自然に手を入れる必要がある。
(4) ブルーシートが立つような場所には人が集まらない。
(5) 市川側を含めた全面登録が望ましいが、合意が得られなければ、船橋側(コア区域)のみでの登録でもよい。
(6) 千葉県は部署横断的に動くべき。
(7) COP11は最大のチャンスである。
(1)については断言に過ぎるのではないか。環境省のパンフレット『ラムサール条約湿地のワイドユース』(2007年3月)にも漁業の事例が書かれているが(宍道湖、厚岸湖・別寒辺牛湿原)、そこで強調されているのは資源管理や流入する水質保全であり、単に漁業が保証されるということではない。(2)(3)については人工干潟を巡る議論への配慮だと解するが、船橋側の直接の論点ではないのではないか。(4)については表現以外の問題がある。
その後のパネリストたちによる指摘・議論を含めて、<三番瀬の保全>だけでなく、<三番瀬を活かしたまちづくり>を目的としてラムサール条約への部分登録を行うという考えには共感できた。しかし、問題は多い。
ところで、シンポジウムが始まる前には、動員のために山本リンダのコンサートが開かれていた。1曲だけ聴くことができた。『仮面ライダー』に出ていた山本リンダを突然観るという奇妙な感覚。
●三番瀬
○船橋の居酒屋「三番瀬」
○市川塩浜の三番瀬と『潮だまりの生物』
○日韓NGO湿地フォーラム
○三番瀬を巡る混沌と不安 『地域環境の再生と円卓会議』
○三番瀬の海苔
○三番瀬は新知事のもとどうなるか、塩浜の護岸はどうなるか
○三番瀬(5) 『海辺再生』
○猫実川河口
○三番瀬(4) 子どもと塩づくり
○三番瀬(3) 何だか不公平なブックレット
○三番瀬(2) 観察会
○三番瀬(1) 観察会
編集者のSさんに誘われていた、「荻窪の味 三ちゃん」。学生時代に合気道の練習帰りに食べて以来だから、たぶん18年ぶりくらいである。
何も変わっていない。太麺の焼きそばはしみじみ旨い。細麺のラーメンは、技巧を凝らした濃厚な最近の味とは対極にあって、いまや過激に存在している。カウンターの向こうの厨房は、日本の中華料理のストロングスタイルである。
レバニラ炒め。
焼きそば。
干しエビの味がする餃子。
ラーメン。