Sightsong

自縄自縛日記

「名護市へのふるさと納税」という抵抗

2011-01-22 10:13:21 | 沖縄

朝日新聞(2010/12/24)では、辺野古への基地建設に反対する名護市に対する米軍再編交付金の打ち切りを報道している(アメとムチ政策)(>> リンク)。しかし、今後の事業計画においては再編交付金に依存しない方針であることには触れられていない。川瀬光義氏(京都府立大学教授)は、これを画期的な政策であると高く評価している(>> リンク)。朝日新聞の報道は恣意的で一面的だということができる。

昨日、『世界』編集長の岡本厚氏より、この非人道的な「アメとムチ政策」への抵抗策として「名護市へのふるさと増税」を行おうとの呼びかけメールが届いた。これは初めて聞くアイデアだ。

「ふるさと納税」制度を活用して、名護市を応援しよう<o:p></o:p>

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 沖縄・米軍普天間基地を北部・名護市の辺野古沿岸に移設する計画について、地元名護市をはじめ、沖縄県民はくり返し反対の意思を表明し続けてきました。日本が民主主義の国であるならば、この沖縄県民の意思は尊重されなければなりません。

 しかし「最低でも県外」を標榜して政権に就いた民主党政権は、その公約を簡単に覆し、沖縄県民の意思を無視して、辺野古移設に回帰する日米合意を結びました。そして、何の正当性も実効性もないこの「合意」に基づいて、強引に辺野古に新基地建設を進めようとしています。

政府は、去る12月24日、名護市に対して、米軍再編交付金の支払い停止を通告してきました。米軍再編推進特措法に基づく交付金は、米軍再編に協力し、基地を受け入れる自治体に、出来高払いで交付金を支給する、というものです。野党時代の民主党は、米軍基地を金で押し付けるこの悪法の制定に反対していました。

 2010年1月「海にも陸にも基地は作らせない」ことを公約して名護市長に当選した稲嶺進市長は、再編交付金に依存しない事業計画を明らかにしていますが、基地容認派であった前市長時代から執行中の事業についての09年度繰り越し分約6億円と10年度分約9億9千万円については、支払いを要請し沖縄防衛局と協議中でした。しかし、今頃になって防衛省はこの交付金の支給を停止し、北澤防衛大臣は、「基地に反対するならそれなりの覚悟が必要」とうそぶいています。

 一方同時に発表された2011年度予算案では、沖縄関連予算が9年ぶりにわずかながら増額に転じました。基地の県外移設を主張して知事に再選された仲井真知事が、かつては基地容認派であったことに期待を寄せてのことでしょう。

 つまり政府は金の力によって自治体を締め上げ、名護市民や沖縄県民の意思を挫こうとしているのです。結局、普天間基地問題に関しては(ひいては対米従属性においては)、民主党政権は自公政権と何も変わらないことを示したといえます。

 私たちは、菅政権のこうした方針に強く抗議するとともに、このように露骨で卑劣な「飴と鞭」の政策に反対し、世論を喚起し、名護市民と連帯し、名護市を応援する具体的な行動をとる必要があると考えます。

 「ふるさと納税」制度の活用はその1つです。「ふるさと納税」は2008年に出来た制度で、応援したい自治体を選んで寄付することが出来、その際、住んでいる自治体の住民税などから控除を受けられます。(詳しくは、別掲「名護市へのふるさと納税のやり方」参照)

 すでに、本土でも、沖縄でも、この制度を使った名護市への連帯の呼びかけが始まっています。私たちの呼びかけも、これらの声に連なったものです。

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名護市を孤立させてはなりません。国民一人一人が名護市に連帯の意思を表示することはそのまま、日本の民主主義を強化することにつながると私たちは考えます。  <o:p></o:p>

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 2011年1月17日

新崎盛暉(沖縄大学名誉教授) 池田香代子(翻訳家) 上原成信(沖縄一坪反戦地主会・関東ブロック) 宇沢弘文(東京大学名誉教授) 遠藤誠治(成蹊大学教授) 岡本厚(岩波書店「世界」編集長) 我部政明(琉球大学教授) 加茂利男(立命館大学教授) 川瀬光義(京都府立大学教授) 古関彰一(獨協大学教授) 小森陽一(東京大学教授) 桜井国俊(沖縄大学教授) 佐藤学(沖縄国際大学教授) 高田健(World Peace Now) 千葉真(国際基督教大学教授) 寺西俊一(一橋大学教授) 西川潤(早稲田大学名誉教授) 西谷修(東京外国語大学教授) 野平晋作(ピースボート) 前田哲男(評論家) 原科幸彦(東京工業大学教授)水島朝穂(早稲田大学教授) 宮本憲一(大阪市立大学名誉教授) 比屋根照夫(琉球大学名誉教授) 和田春樹(東京大学名誉教授) ガバン・マコーマック(オーストラリア国立大学名誉教授) 

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*名護市への「ふるさと納税」のやり方=①「名護市ふるさとまちづくり寄付金申込書」に記入し、送付します(メール、ファクス、郵送可)。申込書は名護市ホームページからダウンロード、あるいは電話などで申し込めば郵送してもらうこともできます。②名護市から寄付金専用の納入通知書が送付されます。③寄付金を払い込みます。④名護市から寄付金受領証明書が送付され、確定申告の際税額の控除が受けられます。<o:p></o:p>

 寄付受領証明書は5000円以上の場合ですが、税額控除を必要としない1000円~2000円のカンパも同様の手続きで受け付けています。グループで寄付したい場合は、納入者リストを付けて寄付してください。<o:p></o:p>

 http://www.city.nago.okinawa.jp/5/4969.html<o:p></o:p>

 問い合わせ、申し込み先=〒905-8540 名護市港1-1-1 名護市役所企画総務部企画財政課 (電話)0980-53-1212 財政係 (ファクス)0980-53-6210 (email  kikakuzaisei@city.nago.okinawa.jp

●参照
『世界』の「普天間移設問題の真実」特集(伊波洋一)
『沖縄基地とイラク戦争 米軍ヘリ墜落事故の深層』(伊波洋一・永井浩)
屋良朝博『砂上の同盟 米軍再編が明かすウソ』
○シンポジウム 普天間―いま日本の選択を考える(1)(2)(3)(4)(5)(6
『現代思想』の「日米軍事同盟」特集
久江雅彦『米軍再編』、森本敏『米軍再編と在日米軍』
『けーし風』2009.3 オバマ政権と沖縄/ガザ、『週刊金曜日』2009/4/10 戦争ごっこに巻きこまれるな
渡辺豪『「アメとムチ」の構図』