祝島(山口県上関町)には、1100年以上前に大分から農業が伝わったとされている。国東半島の宮司が嵐に遭って祝島に漂着したときのことである。これを起源として、4年ごとに大分の伊美別宮社から人々を呼ぶ合同の祭祀が「神舞」(かんまい)である。
2008年神舞のリーフレットより
探してみると、NHK「新日本探訪」で放送された『いつか 心ひとつに』(1996/9/1放送)がYoutubeにアップされている。1996年の神舞の記録である。世話役を橋部好明さんが務めており、14年後の『風の民、練塀の町』(2010/11/14、山口放送制作)では、練塀の研究成果を披露している方である。1984年と1988年には神舞を行うことができず、この4年前の1992年、橋部さんらが中心となって復活させたのだという。
当時、原発推進意見の住民は島の1割。その中には当時の宮司もいて、神舞に欠かせない役割を持つにも関わらず参加しない状況となっていることが示されている。また、推進派住民の声としては、過疎・高齢化地域にあって雇用をつくりだすためには仕方がないという意見が紹介されている。まさに原発や米軍基地の立地に際して全国で共通してみられる現象であり、中央の<機械>以外を切り捨ててきた日本の政治に起因するものに他ならない。
次回の神舞は2012年8月16日~20日に行われる予定だということだ。祝島の注目度が高いこともあり見物客が相当集まるのではないか。私も見てみたい。
>> 2008年の神舞
>> 2008年の神舞(ブログ「街森研究所」)
>> 2012年の神舞
●参照
○長島と祝島 >> リンク
○長島と祝島(2) 練塀の島、祝島 >> リンク
○長島と祝島(3) 祝島の高台から原発予定地を視る >> リンク
○長島と祝島(4) 長島の山道を歩く >> リンク
○既視感のある暴力 山口県、上関町 >> リンク
○眼を向けると待ち構えている写真集 『中電さん、さようなら―山口県祝島 原発とたたかう島人の記録』 >> リンク
○『これでいいのか福島原発事故報道』 >> リンク (上関の原発反対運動について紹介した)