ここのところ、”カラパルーシャ”・モーリス・マッキンタイアー『Forces and Feelings』(delmark、1970年)をよく聴いている。
Kalaparusha Maurice McIntyre (ts, cl, fl, bells, etc.)
Sarnie Garrett (g)
Fred Hopkins (b)
Wesley Tyus (ds)
Rita Omolokun (Worford) (vo)
マッキンタイアーは昔も今もさほど注目されないプレイヤーかもしれない。シカゴAACMの超個性軍団のなかでは、それも仕方がないと言えなくもない。
しかし、特にテナーサックスの音色も暴れ方も悪くない。この盤は、マッキンタイアーの初吹き込みの翌年に録音されている。ポエトリー・リーディングとヴォーカルの間にでもありそうなヴォイスが臭さを高めており、そこにサーニー・ギャレットのギターとフレッド・ホプキンスのベースが絡み、その中でさまざまな音を繰り出すマッキンタイアーはかなり魅力的。もっとマッキンタイアーの録音を聴きたいところ。
ベースのフレッド・ホプキンスは、まだ20代そこそこと若く、シカゴ市民交響楽団の一員としても活動していた。ここでも、ミドル級の確かな重厚さと機敏さは、このサウンドの中でとても存在感を示している。
注目すべきは、これが、ホプキンスがヘンリー・スレッギルと組む直前の記録だということだ。1972年(71年後半という説もある)に、スレッギルやスティーヴ・マッコールと一緒に「リフレクション」というグループを結成し、その後、1975年から「エアー」としてジャズの歴史に名を刻む。どこかに「リフレクション」の演奏の録音は残っていないものだろうか。
●参照
○ヘンリー・スレッギル(2) エアー
○ヘンリー・スレッギル(7) ズォイドの新作と、X-75
○ヘンリー・スレッギル(9) 1978年のエアー
○マッコイ・タイナーのサックス・カルテット(フレッド・ホプキンス)