久びさの台風から逃げ帰り、うとうとしながら、オーネット・コールマン『White Church』(2003・2005年)を聴く。
Ornette Coleman (as, tp, vn)
Greg Cohen (b)
Tony Falanga (b)
Denardo Coleman (ds, perc)
1枚目の録音は2005/11/5であり、一応の最近作『Sound Grammar』の録音日2005/10/14よりも少しだけ後である。そして2枚目は遡って2003/9/26。ベース2人に息子デナード・コールマンの巧いのかどうかよくわからないドラムスを従えた編成も、まったく同じ。
2006年3月の来日メンバーも同じだった(いや、山下洋輔とオオクボ・マリ客演だけが違う)。
「Turnaround」、「Lonely Woman」、「Song X」、「P.P. (Picolo Pesos)」、「Tone Dialing」、「Guadalupe」など名曲ばかりだが、垢はついていない。何歳になってもオーネットの独自性はまったく衰えておらず、サックスの音の張りや凶暴性が若干マイルドになってはいても、それは依然オーネット。このあたりは、大城美佐子やリー・コニッツにも同じことが言えるのではないかと思うのだ。
この盤はヘンな録音で、オーネット以外の音が遠いのが難点だが、オーネットと同時代に生きていると思いながら聴けるだけで満足する。とは言え、『Sound Grammar』(2005年)を改めて聴いてみると、やはりデナードのパルスとベース2本の音がしっかり聴こえるほうがよいのであって、このサウンドの中を、エッジが丸く磨きぬかれたオーネットの音がぬるぬるツルツルと遊泳するのは快感極まりない。
Ornette Coleman (as, tp, vn)
Greg Cohen (b)
Tony Falanga (b)
Denardo Coleman (ds, perc)
さて、今年の「東京JAZZ」に出演するオーネットを観にいくかどうか。
●参照
○シャーリー・クラーク『Ornette: Made in America』 オーネット・コールマンの貴重な映像
○オーネット・コールマンの最初期ライヴ
○コンラッド・ルークス『チャパクァ』