ペーター・コヴァルト+ヴィニー・ゴリア『Mythology』(kadima collective、2000年)を聴く。
Peter Kowald (b)
Vinny Golia (woodwinds)
故ペーター・コヴァルトのベースを、わたしは勝手に絹の音だと思っている。ゆったりと構えているときも、激しくスピーディなアタックをみせるときも、いつも、まるで弦が無数の絹で出来ているような印象を受ける。
ここでも、ヴィニー・ゴリアがクラリネット、バスクラ、フルート、サックスと、木管楽器を持ち替えては繰り出すさまざまな音色を受けて、絹の音で相対する。素晴らしいと思う。
ゴリアはマルチ・インストルメンタリストとして活動している人なのだろうか。ヴェテランのようだが、この盤ではじめて演奏を聴いた。まだ、個性をつかめないでいる。
●参照
○ペーター・コヴァルトのソロ、デュオ
○A.R.ペンクのアートによるフランク・ライト『Run with the Cowboys』(コヴァルト参加)
○エバ・ヤーン『Rising Tones Cross』(コヴァルトのインタビュー)
○横井一江『アヴァンギャルド・ジャズ ヨーロッパ・フリーの軌跡』